Нет-о

(the NiGHT BiND)

дневник

26/12/02:海に沈むカラダ、救われない誰か、希望の灯
25/12/02:堕落の第一歩、或いは突き落とす為のベクトル
24/12/02:聖なる夜と静かな夜の相関関係
23/12/02:存在を否定する為の「名前」についての考察


26/12/02:海に沈むカラダ、救われない誰か、希望の灯

♪моряに身を落とし揺れて・・・揺れて夢の中で踊る

 夢の狭間でボアズを口にくわえ揺れる胸も躰も永遠に操られて

 救われぬ躰で踊る仕草はSemiramisのように美しく
 身を委ねもがき狂い舞う躰を
 Holy Grailで頂へと昇り詰めればいい

ILLUMINATI[Malice Mizer]

なんだか気が抜けてしまった。だって、こんなに早くお別れの時が来るなんて、思ってもいなかったんだから。
いきなり何かって?あん・・・ヒトのコトバで言えば、奇跡というやつね。普通、堕落したものが清らかなものに這い上がることはない。あなたは、神が常に平等な判断を下し、努力をするものには必ずその報いを与えると思っているかもしれない。でも、実際は違う。どんなに努力をしたって、種の垣根を越えられる程の恩恵を授かることは滅多にない。そして、それほどまでに「天使」と「堕天使」の間には溝があるわけね。
そんなわけで、私はどう見たって這い上がれる筈のない、言ってみれば王様を羨むカーストの最下級、もしくはお出かけ服で富士山の前に居る様な状況かしら。
だけれど、そんな私に幸か不幸か救いの手が差し伸べられることになりました。・・・もっとも、これが救いなのかどうかは疑わしい。そもそも、私の堕天はちょっとした存在に命じられたことによって果たされたものだけれど、そこにどんな思惑があるのか、想像は付くけど考えたくはない。まあ、言ってみれば半端な天使の一位くらい、平気でモルモットにできるくらいに剛毅な存在ってことね。

まだお話していないことが、たくさんあったのだけれど。何より、上の紹介に書いてある「御主人様」のこととか、私の年齢のこととか。まあ、今となっては後者はどうだって良いわ。せめて、御主人様のことだけでも。
一応、実際に堕天する段になって、目的はどうあれ建前はしっかりとあるわけで。私の場合、堕天する少し前からとある方に隷従していました。でも、うっかり其の方が激しく闇属性だったばっかりに、こんなことになってしまった様ね。
でもね。どうやってもメイドと御主人様の域を出ないくらいの隷従っぷりなこととか、そんなことで堕天が決まったこととか、それらについてはネガティブな感想は全く無い。むしろ、堕天したことで御主人様に近づけたと思うし、関係が犬とヒトよりも陵辱属性が皆無な類だからって、御主人様と一緒に居られることには変わりはなくて。
そりゃ、御主人様のことは大好きだから、繋がりたい欲求とかはある。でも、私にあるのはその欲求だけじゃない。むしろ、私が空気の様にご奉仕して、そんなさり気無い行為に喜んで頂ける方が、よっぽど快感。・・・私も、どうやら根っからのメイド属性みたいね。元々恥ずかしいことを強要されるのも好きな筈だけれど、根は一緒なのかしら。

考えてみると、隷従っていう行為は本当に奥が深いわ。空気の様に御奉仕って、本当に大変な事だしね。だって、お礼を言わせる隙すら与えないのよ?いえ、感謝のコトバを頂けるのはとても嬉しいことだけれど、その時間を割かせてしまっているわけじゃない?御主人様に、そんな時間の浪費を強要することはできないから。
私は御主人様が望まない限り、空気で在り続ける。私が何かを提案してお時間を取らせる様な真似はしないし、私にコトバを投げる様な手間を望むことも無い。ただ、思って頂けていることがなんとなく感じられて、私も私で思い続けていられれば、それで良い。
・・・なんだか、異常なまでの小娘度ね。鳥肌が立ってきちゃった。最後だからって言わなくちゃいけないことも無いから、そろそろおとなしく引き下がることにするわね。
「奇跡を信じない者はみな、この楽園から追放されてしまうんだ」
奇跡を信じなかった私は、こうして楽園からもヒトの世からも追放されて。でも、奇跡は私の身に起こり、今また楽園に帰る機会を得た。その過程に、私の思惑は欠片も影響していない。
当事者としてはいっぱい言いたいことはあるけれど。この期に及んでだらだら言うのも何だから、もう口を噤みます。

いずれ堕ちゆく貴方。
愛しています。
どこまで信用するかは貴方次第。そして、貴方が構って欲しい類の隷従を私に求めるなら、私は喜んで。
私は、いつでも貴方の傍に。

25/12/02:堕落の第一歩、或いは突き落とす為のベクトル

♪アナタは夢 私は欲情する奴隷みたい
 アナタは夜 私は悦びに涙流す
 アナタは月 私は泥の様に濡れたままで
 アナタは水 私は悦びに涎垂らす

 ほしいものがひとつ
 きたないささやきを
 ねがいかなうのなら

「縛ってくれ」

囁き[Buck-Tick]

クリスマスの話題を出すなら、前夜よりも今日の方が良い筈だけれど。世の慣習に習って、今日は別のお話です。当日にして既に過去っていうのも、なんだか不思議な話ではあるけれど。
とりあえず、私も明日辺りからクリスマスの恩恵に預かることにするわ。だって、今日を過ぎればそこらでケーキの大安売りをしているじゃない?美味しいお店の美味しいケーキも良いけれど、このケーキを買う筈だった負け犬さんとかの思考を電波で読み取りながら食べるコンビニ売りや不二家さんのケーキはまた格別。性格悪い?まあ・・・堕天使だしね

堕天使で思い出したけれど、私は自分のこととか喋らないといけないのかな。昨日までのただの愚痴なテキストを読み返して、そんな風に思って。ともあれ、きょうはわたしとおるすばんじゃなかった、今日は私自身のお話をしたいと思います。・・・どうでもいいけど、「はじるす」を一周したわ。本当にどうでもよかったとかのオプションはあるけれど、まあそこはそれ。あの二人、コドモの清らかさというよりも商売敵としてのなんだかしか感じないしね。
さてさて、堕天使のお仕事といえば・・・ヒトに話して消されない範囲で話すと、ヒトを誘惑し、堕落させ、そして神の教えからもヒトの道からも遠ざけてしまうこと。目的?不毛な議論ね。貴方、生命活動を維持する目的を説明出来る?ココロに潜むサタンを毛嫌いする理由は?まあ、そういうことね。
あ、「サタン」の説明も必要か。本当に簡単に言えば、ヒトの悪意の根源ね。どんなにケダモノさんを自負しているヒトでも、絶対にやりたくない、目を背けてしまう様なことってあるでしょう?たとえば・・・そう、オーブンの中に乳幼児を入れてturn onとか、ヒトを生きたまま貪り喰うとか。気持ち悪くなった方、ごめんなさいね。ともあれ、そうした思いついても実行しないであろう行動の源泉たるものが「サタン」。ヒトは誰しもこの領域を持っているし、私みたいな闇属性のものに囁かれれば、理性よりもそちらを優先してしまうまさにケダモノさんができてしまうわけ。
私は、そうしたヒトの闇の衝動を増幅させる為に、日々駈けずり回っているわけね。・・・だから、理由は訊かないでってば。

怠惰とか猟奇とか、衝動のベクトルにも色々あるけれど。基本的に、ヒトが理性と目の前の快楽との葛藤を開始して、そして快楽を選択する瞬間・・・私なんかはそこに惹かれるわけ。だから、元からココロの敷居が低すぎるヒトに関しては、あまり堕落のお手伝いはしたくない。そうしたヒト程図太いから堕落させようにも骨だし、かといって堕落前と後で行動規範がそうも違わなさそうだから、面白くなさそうだし。
堕落の方法も、ヒトによって色々。堕天使について誰とも無しに何度も性交渉を持ち続けるなんて童貞の妄想話みたいなイメージを抱いているヒトがいるみたいだけれど、はっきり言っていつ呪われてもおかしくないわね。其れが、遍くヒトにとってとても強力な誘惑であることは確かだけれど、ヒトの欲望は其れだけじゃない。もっと言えば、その欲望だって随分と懐が広いから、服を脱いで一点突破なんて考えていると、こっちが痛い目を見てしまう。
堕落をさせる為には、まずココロを開かせなければいけない。そして、弱点を見つけないといけない。攻撃するポイントを極限まで絞り込んで、これ以上の決定打は無いってところで、ようやく攻撃を開始するの。何しろ、外すとリカバーが難しいし、私だって失敗はしたくないからね。
カラダを交わらせる、っていうのは、こうしたことを踏まえると直接的すぎて良くない。大体、ヒトは何かと疲れきっているから、ココロを閉じて交わることなんて日常茶飯事でしょうし。・・・こんなこと言うと、なんだか初心な小娘みたいね。恥ずかしくなってきたから、そろそろ切り上げるわ。

もしもあなたが堕落を望むなら、私の前では悪足掻きをするといい。そして、ココロの奥でちょっとだけ堕落を望んでみるの。はっきり言って常人には無理だけど、頑張ってみれば頑張れるかもしれない。欲望を表に出さない鍛錬は、とても難しいものよ。
それをあなたが頑張れたなら、私があなたを堕落させてあげる。あなたのどんな要求にも応じるし、望まれる通りの態度で接して。そして、知らない内に深みに嵌って、完全に後戻り出来ないくらいに堕落させてあげる。・・・こんな言い方したら、誰も堕落なんて望まないかしら。失敗失敗。
まあ・・・気が向いたら、いつでもどうぞ。

いずれ堕ちゆく貴方に、禁断の悦楽を。

♪終る顔を見る度 子供をあやす様に
 荒い息がすむまで 上から接吻する

 WOO UHO…甘えて濡れるのは SMART LOVER
 WOO UHO…従がわせるための前置き

 Her name is 「sister」 貴方の前 飲み込めてたの ときめきを
 Her name is 「sister」 続けるため 飲み込めてたの ときめきを

『Sister』[黒夢]

全く、どこもかしこもクリスマス。世界は赤だの白だの緑だのに塗り潰されて、オリジナリティなんて欠片も無い。でも、クリスマスは普遍的だからこそ価値があるのであって、ころころイメージが変わっちゃいけないんでしょうね。変化と安定を同時に求める「ヒト」って存在は、本当に見ていて飽きません。
見ていて飽きないといえば、先日仮想横浜駅で不思議なヒトを見たの。見かけはサンタクロースっぽい、白く縁取りした厚手の赤い上下を纏った初老の男性。少なくとも、恰幅だけはサンタクロースとは正反対のスリムさで・・・いえ、そんなことはどうでも良いのだけれど。
何が特徴的って、頭の飾り。遠くから見ると、巨大な白い十字架を頭上に戴いていて、そこに「人間の罪は我れの罪」だかなんだかって書いてあったのだけれど。その十字架、同見てもパイロンから生えて居た辺りが幻滅ポイント。つまり、あの工事現場にある様な赤いパイロンを被って居て、そのパイロンに十字架だの緑や赤の飾りだのさっきの高尚な戯言だのが張り付いていたわけね。
それが自虐パフォーマンス罰ゲームでないのなら、然る冪場所でコスチュームの相談をした方が良いと思うわ。まあ、彼は道行くヒトの嘲笑を上手く脳内変換出来ているのでしょうから、そんな心配は余計かもしれないけれど。
とりあえず、その無駄な犠牲感も偽善っぷりも大いに結構。結構だから、絶対に近寄らないでね

そんな不思議なお話を引き合いに出しつつ。皆様、そして貴方。ご機嫌麗しふ。Нет-оです。彼が背負ったつもりの「罪」が、所謂「原罪」と云われるものか、それとも個々人がそれぞれの価値観の元に抱えた「罪」の集合なのか、私にはちょっと判らない。判らないけど、どちらも抱えるには重すぎるものね。大体、ヒト一人が抱える罪ですらとんでもない量の筈だし、原罪に至っては償おうにも起点が産まれるよりも過去だし。
むしろ、そんな大風呂敷を広げることが神への冒涜と解釈されなきゃいいけど。まあ、そんな風に解釈されて、ちょっとアレなヒトが駅の暗がりに似非サンタを連れて行ったとしても、不法電波の減少に繋がるでしょうし。悪いことじゃないわね。

おかしいなあ、今日はクリスマスの話の筈だったのに。しかも、わざわざ色話を振るために、色の話で導入してみた筈なのに。・・・まあいいわ。誰が決めたのかはさて置いて、世の中は猫も杓子もクリスマス。でも、クリスマスだから嬉しいことといえば、そこらでケーキが買えることと、高いシャンパンがますます高くなることくらい。私は基本的に自分でお金を払わないから知ったことじゃないけれど、そんな私でも良い気持ちはしないわね。
浮かれ浮かれてお金を出して、そうして残るものはあやふやな記憶と衝動の残骸。そんなペシミスティックな、と貴方は言うかもしれない。でもね、クリスマスだからって特別なことをするっていうのは、そういうことなのよ?「折角だからプレゼントを貰ってから別れよう」とかカフェで大声で話しているのを聴いちゃったりすると、本気で腹立たしいったら。

え?「折角だからプレゼントを貰って云々」の意味が判らない?・・・ふうん。だとしたら、貴方は私と一緒に堕落できるかもしれない。堕天使は見境無くヒトを堕落の道に誘うわけじゃない。まあ、時に数は数って割り切る時もあるけれど、それはよっぽどの非常事態よ。たとえば・・・おっと、これは流石に言えないか。
大した話じゃないのにすっかり長くなっちゃったから、堕落の詳しいお話はまた明日。それまで、良い子にしてるのよ?
いずれ堕ちゆく貴方に、禁断の悦楽を。

23/12/02:存在を否定する為の「名前」についての考察

女の子の名前辞書計画」というサイトがあって。要は、古今東西の女性の名前をデータベース化しようという計画。動機に関しては管理者さん自身が「詳しくは忘れました」と言っているし、実際何の役に立つのかは容易には判らないわね。
順当な使い方としては、賞を狙ってX回目の執筆中の創作物に登場する人物の名前の参考に、という辺りでしょうけど。ヒトは・・・というよりも、男性は無駄に逞しいから、若しかしたらアレな名前というだけで女性が虐げられ、陵辱される様を妄想するなんて器用なソロプレイの材料にもできてしまうのかもしれない。
意味なんて、其れを見たヒトが後付けすれば済む話。それは対象がヒトでもモノでも有形でも無形でも、すべてに当て嵌まるお話ね。

皆様、そして親愛なる貴方、ご機嫌麗しふ。私の名前はНет-о。・・・名前の話をする為の振りだつたのだけれど、ちょっと方向が違ってしまったわ。まあ、この手の反省はゴキブリ並みに潜在数が多すぎるから、適当に反省して先へ進みましょう。
さて、貴方は存在を完全に否定する術を知っている?・・・少し考えれば判るわね。そう、殺すこと。でも、およそ世間というものが、様々なヒトと少々にして大いなる人外のチカラによって稼動していることを考えると、存在の機能を停止し廃棄することはリスクが大きい。
じゃあ、どうするか。色々と代替案は在るけれど、もしも望まれない子供の名付け親というドラマなシチュエーションかと思つたら、割と世間に溢れている類の立場に居る場合、貴方は誰がどう見てもアレな名前を付けることで、その存在を否定することが出来る。正確に言えば、否定の意思を示すことが出来る。
名前なんて、ヒトを区別するためのただの記号と考えてしまえば、何の角も立たない筈なのに。わざわざ事故に遭い易い様に「故」なんて具合に半端に意味付けが出来てしまう辺りが、名前の良い所であり、同時に悪い所ね。あ、「半端に」というのは、命名者の意図が必ずしも名前に付いて回らない辺りを汲んでいるつもり。さっきの「故」だって、その名前を見たヒトによって解釈は色々でしょ?
もっとも、何の悪意も無く子供に「悪魔」なんて名づける親も居るのだから、本当にヒトは不思議だけれど。・・・ちなみに、「次が男の子だったら「帝王」、女の子だったら花の名前にしようと思っている」なんて、当の命名者たちは素敵な発言をしていたけれど、「悪魔」と名付けられた子供がどうなったのかはご存知?判決云々はちょっと弱いので置かせて頂くことにして、結局「亜駆」と命名し直して決着したそうよ。「悪魔」と「帝王」の無双兄弟の夢は費えたけれど、子供にとっては洒落になっていないでしょうからね。ご愁傷様。

ともあれ、嫌な名前を付けるというのは、存在し、他と関わりを持つ限り有効というとんでもない手段だから、上手く使うと面白そうね。ただし、その名のものが存在する限り命名者の貴方も同じく良心の呵責を感じ続ける筈だから、余程の腹黒さんか図太いヒト、あるいはココロをサタンに占領されきったヒトくらいにしかお勧めはしません。
もう気づいたヒトも居るかもしれないけれど。駄目な名前の典型的な例がこの私。なにしろ、「否定」を名前にされた上、わざわざ単語上の性別まで消去されたのだから。貴方が時に崇め、時に冒涜する「神様」は、堕とした者には容赦が無い。もっとも、堕とされるにもそれなりの理由はあるのだけれど・・・。ともあれ、名前を剥奪するばかりではなく、どう見たって有り得ない名前を付けられてしまうわけね。
いい?神様とか天使とかの行動原理は、実はとてもシンプル。ヒトにとって効果的なことは幾らでも仕掛けるし、その術は良く知っている。貴方が神を冒涜すれば、それは確実に神の知る所となる。それは、宗教如何に関わらず、何をどうやったって消せない「罪」よ。まあ・・・せいぜい、用心することね。

今日はつまらない話で終わってしまったわね。明日からは、もうちょっと・・・そう、あなたの煩悩をもう少しは満たせそうな話をすることにします。
いずれ堕ちゆく貴方に、禁断の悦楽を。