◇昔のПсиニュース◇
(Псиニュースの過去ログです)
◇平成15年04月◇
05月17日:Be a gothic-XXIII[MHの半身] 05月12日:DoCoMo、505i用Flashプレーヤの仕様公開 05月10日:Be a gothic-XXII[まさにこの世は生き地獄] 05月03日:Be a gothic-XXI[悪意と悲劇の行く先は] |
平成15年05月17日 | Be a gothic-XXIII[MHの半身] | ||
というわけで土曜日恒例の「Be a gothic」、今日は第23回です。23といえば永井真理子さんの「23才」ですが、アルバム「キャッチボール」なんて世間的に有名な曲が一曲も無いアルバムを知っているヒトがヴィジュも好きなんてことは、毎号買っている雑誌が各種ファッション雑誌と週刊少年チャンピオンだと豪語するシロガネーゼくらいに有り得ないので、とりあえず脇に置きます。どんな導入ですか。 ヴィジュ界隈においてのプレス数に纏わる諸々は、前にお話した様な気がしなくもないので、今日はもうちょっと違うことをお話しようと思います。これは、主にデビュー後のバンドに言えることですが、初期のアイテムが知らない内に絶版になっていることが良くあります。単純に売れないからと思えなくもありませんが、それにしては絶版アイテムのチョイスが恣意的だったりもして、ファンとしてはそのバンドの古き良き日を自分自身の手で封印する瞬間を見ることとなり、とりあえず泣けます。 プレスの問題などで消え去ったままのアイテムは、時にファンにおかしな格差を生み出します。これを解消する方法といえば、当然再プレスを行うことなのですが・・・ヴィジュのアイテムには最プレス時にはジャケットが違うことが多々ある為、それはそれで混乱を呼ぶことになります。つまり、以前のプレスを持っているヒトは、ジャケットや追加目当てに新しいプレスを購入し、アイテム自体持っていないヒトは古いプレスの方を欲しがる・・・本当に無益な悪循環ですね。 そんなわけで、新参のファンには嬉しいけれど、ジャケットだけ変更されるとちょっとアレな再プレスに果敢に挑んだバンドがいます。その名もFatima(読み方:ふぁてぃま)。しかも、同時に三枚。ジャケットのデザインに共通性があることから、普通に三枚同時発売だと思っていたのですけれど、よく調べてみたら、再プレスだったそうです。それにしても、「リリース第一弾CDが発売日を待たずに予約完売したため急遽2nd-Pressのリリースが決定」って、一体どういうことでしょう・・・? M:I-44[Fatima] 唖然。シングルの頭から終わりまで口を開けたまま聴いたのは、かなり久しぶりのことです。ストーリー性を持った歌詞と、007を彷彿とさせるコード弾き+三音目伸ばしなフレーズが印象的な「Mr.Imbalance-44」に早々からノックアウトされました。2曲目の「Humiliate me more,Darlin'」は普通にライヴが面白そうですし、3曲目の「少女とクローゼット」は今年のПсиの脳内最大瞬間風速を更新するくらいの勢いです。 SSB[Fatima] 重いです。・・・「重い」というと語弊がありますけど。アルバムで言えば三曲目以降、もっと言えばカップリングな曲が満載。「Sticky Flower」の早口っぷりや「Blue velvet」の静と動のメリハリが、Псиにはとても心地良いです。初回聴きでココロを奪った「M:I-44」とは違って、「SSB」はスルメです。初回聴きで何箇所かクセになりそうなポイントを耳に残しつつ、ヘヴィローテーション時にそこを足がかりに曲を好きになっていく・・・とりあえず、「Blue velvet」はメロディが綺麗で素で好きです。さっきから三極目ばかり好んでいる気がします。 NOBLE KING SNAKE[Fatima] スカ。吃驚しました。・・・中身が無いという意味ではありませんよ?念の為。「東京スカパラダイスオーケストラ」の「スカ」です。それでもなんだか判らないという方は、EGO-WRAPPIN'の「くちばしにチェリー」を想像して頂けると良いと思います。標題曲「Noble King Snake」は、ブラスサウンドと裏打ちのリズムが大変素敵な上、無理に他ジャンルに手を広げて失敗した感じというデビュー直前のバンドがやってしまいがちな器用貧乏さが一切無い、とても上質なトラックと言えます。 ひさしぶりの歌詞転載、「少女とクローゼット」と「赤い薔薇のスープ」のどちらにするか本気で悩みましたけど、やっぱり第一印象に賭けることにして、「少女とクローゼット」の歌詞を見てみることにしましょう。ちなみに、作曲はGuitarの4ge(しげ)、作詞は・・・「屈折した恋愛感」。・・・「誰ですか」という突っ込みの前に胸がきゅんきゅんしているПсиは、もう帰って来ることができない気がします。
Пси、この歌詞のセンスが大好きです。どこか支離滅裂していて、それでいて直向。サビまで一気に駆け抜けた後の「今日は一日夜でした」の意味を考えると、とても深くて素敵です。 ところで、今回のCD3枚のライナーを並べると、性格診断ができます。YES/NOのチャート診断で、メンバーの誰タイプかが判定できるという謎のもの。ただし、3枚持っていないとチャートも回答も完成しません。構成としては面白いと思いますけど、3枚とも再販なんですよね・・・?ということは、どれか1枚だけ買うヒトなども充分に想定できるわけで、むしろ3枚とも買ったПсиの様なケースは稀少なのではないかと思うのですけれど・・・。
たぶん喜ぶべきなのでしょう。Псиは束縛が嫌いというわけではなく、不合理で理不尽なことが許せないだけなのですけれど・・・とりあえず、「基本的に狂っている」と言われた時点ですべての反論が無駄なので、よしとしましょう。そんなわけで、これからは「もっとおまえが欲しい」を口癖にします。嘘です。Псиにはとても無理です。 Псиは、Fatimaの楽曲に特上の祝福を送信すると同時に、あなたがもっとほしいです。あああああ(背中にむず痒さを感じながら)。 |
平成15年05月12日 | DoCoMo、505i用Flashプレーヤの仕様公開 | |||
PHSは死なず。こんばんは、Псиです。最近、「P-in Free 1S」を購入したПсиは、何気にPHSが大好き。今や世間的なPHSの認識は通信デバイスwithちょっぴり通話といったものであり、とりあえずPメールの存在は忘却の彼方。半角文字20文字が10円で送信できて、なおかつショートメールと違って返信が可能とフットワークも軽いPメールは、普通に便利だと思うのですけれど。 Псиは、消え行く運命から逃れようと足掻いているPHSに祝福を送ります。 本当にこれで終わったら、ちょっとアレであんまりなので、これからまじめになろうと思います。更正を志す少年の前途は常に多難ですが、714歳で性別も無いくせに少年を名乗るのは有り得ないので、普通に話を続けることにします。 さて、Flashで作成された「.swf」形式のファイルを再生する為には、Flashプレーヤというソフトウェアが必要です。FlashプレーヤはPC版しかありませんので、携帯電話やPDAなどではFlashコンテンツを読み込むことはできません。Псиが「p-in free 1S」と「CLIE T400」を使って白黒の仮想世界を堪能している際に、たまに一画面分の空白の後に「このページをご覧になるには、Flashプレーヤが必要です」という表記だけのページを見ることがありますが、そんな時は決まって世界を呪いたくなります。 でも、これからは、Псиはそこまで頻繁に世界を呪わなくても済むのかもしれません。NTT DoCoMoは、近日発売予定の携帯電話「505i」シリーズに採用されたFlashプレーヤの仕様を公開しました。
色々と見るべき所はありますが、Псиにとっての一番のポイントは「Flash4互換」という点です。Flashは、広く世に出たFlash2の後に、もう一度大きな波をくぐっています。それがFlash4で、スクリプトの拡張、オブジェクトのドラッグアンドドロップへの対応、視覚エフェクトの強化等の、大幅な機能的改善が行われました。余談ですが、Flash4は普通に変数が使えますが、普通にCGIとも連携が取れる為、インタフェイスが異常に凝った掲示板を作成することも可能です。利便性はさておいて。 また、記事はこんな風に続きます。
ゴノレゴは駄目ですか。20kが上限ということは、ネットに常駐しているヒトを沸かせた数々のFlashコンテンツアーカイブの携帯は、夢に終わってしまいそうです。もっとも、件のプラグインを導入した後、携帯用に.swfファイルを書き出せば、相応にリサイズされるのかもしれませんけれど。 本来、HTMLはSGMLの流れを汲んでいるので、閲覧環境には全く依存しない筈でした。しかし、「動的なHTML」という「ミニジャンボクッション」並みにミニなのかジャンボなのか判らないブラウザ依存の不思議なものが登場したのに加え、携帯用デバイスに特化したHTMLの氾濫などを見るに、あるドキュメントをいろんなデバイスで見る為の負担はベンダーよりもサイト製作者の方に比重が大きくなっている気がするのです。 Псиは、imodeがFlashに対応すると知った時、PCと携帯の垣根が少しは低くなるに違いないと思っていました。携帯電話のハードの進歩は目覚しいものがありますし、ひょっとしたら640x480Zaurusに追いつく日も遠くないかもしれません。・・・ごめんなさい、それはさすがにオーバーだと思いますが、携帯電話がハード的に高いポテンシャルを秘めていることは確かです。しかし、
という記述を見て、がっかりした覚えがあります。なんだかんだ言ってimode用じゃなくても再生しようとすれば再生できるんじゃないかとは思っていましたが、さすがに20kbなんて壁を示された日には、ちょっとどうにもならなさそうです。また、「imode用」ということは、J-sky用やez-web用が別に登場、独自規格を搭載ということも考えられます。imodeの絵文字は既に独自規格の筈ですし。 Псиは、「どんな環境でも閲覧可能なサイト」をポリシーにサイトを運営しているヒトに尊敬との念と祝福を送信すると共に、PHSを蔑ろにするすべてのヒトに呪いを送信します。 |
平成15年05月10日 | Be a gothic-XXII[まさにこの世は生き地獄] | |||
というわけで、土曜日恒例の「Be a gothic」、今日はたぶん第22回です。 連作としてアイテムを発表することは、ヴィジュの界隈に限らずよくあることです。accessの解散間際のシングル三枚、所謂ホモ三部作というあまりにもアレな呼ばれ方をしたシングル三枚やglobeの四連作シングルなど、枚挙に暇がありません。小室哲哉大先生関連のユニットばかりですが、特に他意はありません。 Псиの印象では、ヴィジュの界隈では「対」が流行っていたと見ました。つまり、2種類のアイテムでコンセプトを完結させる手法です。2種類の場合、同時発売をしてもいつも資金の工面に困るファンもなんとか許容できそうな金額になりますし、いくつもアイテムを重ねるよりももっと強烈な意味付けが可能となります。最終的にはバンドの力量に依存するのは当然ですが、ともかく連作ともなれば話題性も微妙に上昇。ショップとしても前作の売れ方を見てから入荷数が決められるので、バンド的に安定収入は得られるでしょうけど、単発よりもシビアな現実を見ることになるでしょう。 犬神サーカス団は、かつてテレビ朝日系列で放送されていたインディーバンド発掘番組「えびす温泉」に登場、当時から無口でずっと無表情の女性ヴォーカルとお調子者のメンバーというアングラなバンドにありがちなスタイルを貫いていました。かなりやりすぎの感はありましたが。 「黄泉の国」のパッケージ裏面には、こんなことが書いてあります。
なんですか、それは。ロックスターの蘇生と理想郷の結びつきがさっぱり判りませんが、ともかく御託を並べる前にDVDを見てみましょう。・・・ちなみに、文中の「凶子」というのは犬神サーカス団のヴォーカル、犬神凶子さんです。人物関係やバンドの背景をまず知りたい、というシチュエーション好きの方は、公式サイトの「はじめに」というコンテンツを見ると良いと思います。 黄泉の国+洗脳+鎮魂歌〜レクイエム〜[犬神サーカス団] 凶子さん、こんなに恰幅良かったでしたっけ?「えびす温泉」の時は小柄な少女のイメージだったのですけれど。と、そんなうろ覚えの昔話はともかく、この三枚の内容です。ちょっとまとめてみると、 [黄泉の国]神の犬の集会・黄泉への旅立ち なんですかそれは。全体的な話の流れも然ることながら、特に二番目がわかりません。・・・三本のお話を繋げようとすると昭和の狂気小説ドグラマグラの前半部分並みに混沌としてしまいますが、それぞれが世界観を共有した独立したお話として見れば、なんとなく流れが掴める気がします。というわけで、1本ずつ軽く見ていくことにしましょう。 黄泉の国[犬神サーカス団] 大昔の宇宙刑事ものの敵のアジトみたいな場所で、装束+覆面のヒトたちが凶子さんを崇めています。時期が時期だけに簡単なゴシップ記事が作れそうな映像ですが、装束は白く無いのが残念です。曲的には、Aメロのヴォーカル中はドラムだけが暴れる類の激しいロック。また、曲調が派手に変化したり、ドラムの犬神明さんのラップが入ったりと、普通に素敵な曲です。 洗脳[犬神サーカス団] そして、問題の焦点である「洗脳」ですが、一昔前のトレンディードラマみたいなタイトルロゴとグループサウンド調のイントロが平和すぎて不安を掻き立てます。カメラは喫茶店の中に入り、カウンターの隅にあるテレビを映します。テレビでは凶子さんがこんなことを言いながら大笑い。
タイトルは「洗脳」なのに、グループサウンド調の軽い曲。思わず横揺れです。なのに歌詞は、3年ぶりに再会した友人にまくし立てられなんだか知らない内に色々なものを買わされていたけど質が良いので後悔なんかしていないといった歌詞。なにかあったのでしょうか。Bメロの「決して怪しい品物じゃないから安心よ」「決して怪しい宗教じゃないから安心よ」というやっぱりコブシの効いた唱法が印象的な上に、サビの「洗脳解けたら全部ゴミ」という繰り返しが逆におさかな天国的洗脳をПсиに施します。ううう。 鎮魂歌〜レクイエム〜[犬神サーカス団] 世界が滅びます。唐突に臨時ニュースが始まり、宇宙から飛来した隕石を他国からのミサイルだと勘違いしたアンゴルモワ共和国が報復として核ミサイルを発射、人類の滅亡は免れない旨をアナウンサーが淡々と語ります。その後、滅びを連想させる写真や映像をフラッシュバックさせながら、荒廃した街の外れをバックに朗々と歌う四人。曲も大変綺麗なバラードで、ライナーノートが無いのが大変悔やまれます。 「地獄の子守唄」後は、静かなピアノが流れる中ライヴのダイジェスト映像が流れます。情次2号さんが飛んだりする様をぼーっと見ていると、その内画面が暗くなり、こんな字幕が。
更に続くとは。しかも、こんなに卑怯な続き方をしたら、Псиは間違いなく「神の犬」を買ってしまうに違い在りません。Псиはヴィジュ好き的に上手く騙されています。 「えびす温泉」に出ていた頃の刺々しさは、すっかり消えた様に見えました。黙してただすべてを睨むだけだった凶子さんは、メイキングでも本編でも普通に笑顔を見せますし、たとえば「洗脳」には猟奇的なタームは一切ありません。それどころか、「♪マルチ商法 ネズミ購 キャッチセールス 自己啓発 霊感商法 アンケート 訪問販売 テレアポ」なんて微妙に明るく歌うバンドになろうとは、Псиは素で思いませんでした。 Пси、歌で感動させられる上に、ネタをネタとして頑張れるヒトたちが大好きです。どちらも駄目なバンドが多々ある中、Псиは犬神サーカス団にとても魅力を感じています。もっとも、このヒトたちはヴィジュかという問題は残りますが、それはそれとして。 |
平成15年05月03日 | Be a gothic-XXI[悪意と悲劇の行く先は] |
というわけで、土曜日恒例だった筈の「Be a gothic」、こっそりひっそり復活です。おやすみしていた理由は国家機密レヴェルにコンフィデンシャルなことなので、ちょっぴりお口にチャックです。まさか、2月のログが消えたので第何回かわからなくなったとか、お金不足でアイテム不足でネタ不足とか、そういった庶民的事由では決してありません。ありませんってば。 ちなみに、今日は復活第一弾なので、レビューを行うアイテムが多いです。そのため、ただでさえ長いのに更に長いテキストになるかとは思いますが、ご了承下さい。嫌とか言ったらすんすん泣きながらシベリヤ送りです。 ヴィジュ好きが着る服のスタンダードと言えば、今も昔も黒服です。もっとも、「黒服」というコトバがどんな服を指すのかといえば、その実態は昭和の発狂小説「ドグラ・マグラ」の後半の展開くらいに混沌としています。もっと言えば、「ヴィジュアル系」の定義を考えるのと同じくらいに、広すぎて曖昧で難しいのです。 90年代前半の、所謂「第二次ヴィジュブーム」で登場したバンドの多くは、鮮やかな色彩に溢れていました。ヴィジュに多く見られるルックス的な性的倒錯のみを商品化することに成功したSHAZNAが先陣を切ったこのムーブメントの中では、PENICILLINやLa'cryma ChristiやFANATIC◇CRISISなど、黒い服にとらわれないバンドたちが多数活躍。もっとも、起点がSHAZNAだったのでこのブームはすぐに終わりましたが、とりあえず路線変更してSHAZNAの後を追ったのにぱっとしなかったBAISERに黙祷を送りたいところです。 しかし、「悪意と悲劇」という名前が祟ったのか、MALICE MIZERの活動は波乱の連続。度重なるメンバーチェンジ、節目節目に決まって訪れる不幸、そんな悲惨な巡り合わせに支配されたMALICE MIZERは、1997年のメジャーデビューから2002年の活動休止まで、出したアルバムは2枚だけ。その2枚「merveilles」と「薔薇の聖堂」は、それぞれがとんでもない完成度を誇っている上、まったく方向性が違うのに間違いなくMALICE MIZERな作品に仕上がっていました。 まずは「merveilles-cinq∞parallele-」です。これは、メジャーでの最初のアルバム「merveilles」の名を冠した、Gackt在籍中の全シングルのクリップを収録した作品となっています。DVD、VD共にケースのイラストは白地に淡い緑色で空と鳥を象ったもの。VDの限定版には透明のケースが付いていましたが、DVDにはそもそも限定版自体が存在せず、ライナーノートの類が一切無い辺りを考えると、\3,600で5曲入りのクリップだけ、というのはなんとなく搾取感が強い印象を受けます。 merveilles-cinq∞parallele-[MALICE MIZER] このクリップ集、本当に質が高いです。楽曲的にはシングル曲を網羅しているので悪いわけがなく、映像的にもそこかしこに使いまわしっぷりの激しさを感じることがあったり、曲によってはスタジオっぽさを感じる微妙なチープさを感じたりもしますが、観ている内にそれらのネガティブな印象を簡単に意識の奥底へ沈めることができます。 ともあれ、普通にヴィジュが好きな方に対しては普通に勧められるアイテムです。ヴィジュ属性さえあれば、通して観ている間に離れられなくなる何かを感じ取れる筈です。それは、ヲタ的に例えれば、なぜか講談社漫画賞を受賞できた赤松健先生の「ラブひな」や、最早 Cardinal[MALICE MIZER] なんてマニアック。復活第一弾シングルにしてインスト曲の「再会の血と薔薇」、歌詞付きだということで「新ヴォーカル加入か」とファンに期待させつつもその実はコーラス隊による歌唱でファンが唖然とした「虚無の中での遊戯」、今度こそ新ヴォーカルが加入したものの「嘘くさいオペラ歌手みたい」「Gacktとのギャップが」と物議を醸し出した「白い肌に狂う愛と哀しみの また、一ファンとして不思議な点が多数あるクリップ集でもあります。この頃のMALICE MIZERのシングル曲は、シングル曲一曲のクリップを収録したVDが追加で発表されるのが通例となっていました。しかし、何本かVDシングルが登場しない作品が存在します。元々発売予定が無かった「白い肌に狂う愛と哀しみの 「Cardinal」を観終わったПсиは、今更ながらに怒っています。もしも活動停止の発表が「薔薇の聖堂」リリース直後であれば、Псиは残念だと思いながらも、少なくとも怒ったりはしない筈でした。アルバム「merveilles」も「薔薇の聖堂」も、作品としてあまりに完成されていた為、もう他にすることは無いのではないかとПсиは勝手に危惧していたくらいでしたから。しかし、「薔薇の聖堂」をリリースした後のMALICE MIZERのアイテムは、「Gardenia」「Garnet〜禁断の園へ〜」にみられる、アンジェリークの様な幻想的甘さという第三の進化の方向性が提示されていたのでした。 活動停止前のMALICE MIZERの主立った活動といえば、映画「薔薇の婚礼」の制作・出演です。「薔薇の婚礼」はMALICE MIZERの四人がメインキャストとして繰り広げられる吸血鬼物語。音楽は「薔薇の聖堂」からカットアウトされた曲がふんだんに使われ、更にはトーキー映画なので台詞は一切無しなところから、雰囲気と演技への不安を上手くカヴァーしています。 なんだか意図しない内にGackt叩きっぽくなってしまったので、最後のアイテムを紹介して切り上げようと思います。MALICE MIZERのコンセプト・メーカーであるManaは、新しいバンド「Moi dix Mois」(もわでぃすもわ)を結成。Manaのブランド「Moi-meme-Motie」(もわめーむもわてぃえ)を音楽的に表現しようと始動したプロジェクトです。また、Manaプロデュースのユニット「Schwarz Stein」(しゅばるつしゅたいん)も、方々のイヴェントに出演している様ですね。 Dix infernal[Moi dix Mois] Пси、素で泣けてきました。あまりにもこのCDが素敵なので、今日は何も言わずにこのまま眠ることにします。 Псиは、MALICE MIZERのすべてのアウトプットに祝福を送るとともに、Moi dix MoisをMALICE MIZERとは全く別物としてアイを送信することにします。 |