◇昔のПсиニュース◇
(Псиニュースの過去ログです)

◇平成16年09月◇

09月19日:おやすみなさい、幸也
09月11日:さようなら、baroque

 


平成16年09月19日 おやすみなさい、幸也

 今年はいったいなんなのでしょうか。こんばんは、Псиです。2004年は間違いなく、ヴィジュ界隈の「黒い年」として歴史に刻まれることになるでしょう。GULLETやBlastが立て続けに終わり、終わる素振りなど無かったLaputaが急遽終わり、終わりそうだったbaroqueが本当に終わり・・・他にも数多の「脱退」と「解散」と「活動休止」がありました。
 たぶん、もうひとつ「メジャー」というのがキーワードな気がしますが、とりあえず今年を総括するのは早過ぎます。ここは、起こったことを記録しておき、いずれ振り返るべき日の役立てることにしましょう。

 さて、みなさんは幸也という人物を御存知でしょうか。真っ当かつ簡単に解説すると、かつてD≒SIREを率いて一世を風靡し、D≒SIRE解散後はプロデュースワークに精を出し、その後JILSとしてバンド復帰を果たし、今に至ります。・・・なんて味気ない説明でしょう。まるで、「蒼穹のファフナーってどんなのですか?」と訊かれて「SEEDな絵のロボットアニメ」とだけ答えるくらいに簡単過ぎる説明です。
 でも、本気で解説をしようと思うと、どれだけ時間がかかるのか判りません。なにしろ、幸也はこの界隈有数のネタの持ち主ライヴ中にアレなオーディエンスに向かって炸裂した「藤田キック」をはじめ、本当に枚挙に暇がありません。そうしたネタの数々は誕生日に幸也から赤い花をもらった御方にお任せすることにして。
 ともあれ、ココロの機微を描いた儚い歌詞と、その炸裂した性格、異常なまでのサービス精神等々から普通にファンが多く、一般ファンにもバンドマンにも男性にも信奉者が多いのが特徴といえます。

 さて、JILSの最近の活動といえば、07月にリリースされたミニアルバム「A SONG FOR YOU」と、今日まで行われたツアー「さよなら。忘れ得ぬ夏を」でしょう。
 「A SONG FOR YOU」は4曲入りミニアルバム。インストアイヴェントで会場限定販売されたものの、全国流通版です。幸也曰く、「君のためのうた」と「BIRTHDAY」という新曲2曲のみのリリースにしようとしたそうですが、リリース形態がアナログ盤パッケージで\2,500。コストパフォーマンスが元々おかしいヴィジュ界隈の中でも楽曲数対価格比の最も強烈なシングルとなるところでしたが、周囲のスタッフの「せめて4曲に」という声で再録2曲が追加されました。ぐっじょぶ。こうして顰蹙を免れたこのCDは、違う点でファンの顰蹙を買うことになりました。
 ヴィジュ界隈のCDには、ショップによって特典CD-Rや生写真が付くことがあります。その筋の方は、あきばおー特典とかメッセサンオー特典とかの様なものだと思って下さい。「A SONG FOR YOU」は、特約店特典として「幸也のコメント+過去曲の再録トラック1曲」という内容のCD-Rが付属することになったのですが、そのCD-Rの詳細を聴いてファンは愕然としました。なんと、コメントも収録曲も特約店毎に違うのです。その種類は10種類を越えており、幸也は「頼むから純粋に楽しんでくれよ?言っとくけど無理して集めたりするなよ?後悔するから」と仰っていますが・・・ええと。
 ちなみに、Псиは「喪失」が収録されたCD-Rをもらいましたが、途中で急遽フェードアウトで終了してしまって、なんだかしょんぼりしてしまいました。他のCD-Rもそうなのでしょうか。というか、全種類集めた猛者はいるのでしょうか

 すっかり長くなりました。ともあれ、JILSは本格的な全国ツアー「さよなら。忘れ得ぬ夏を」を開始。ラストの渋谷O-EASTに対する幸也の意気込みは物凄いものがありましたが、ツアータイトルがちょっと不吉だったり、O-EASTのライヴタイトルが「0919-。誰かの詩が聞こえる 1999-2004」と余計に不吉なタイトルだったりと、嫌な予感を振り撒いてはいました。
 そこへ来て。今日の午前、社長日記で幸也がこんなことを言い出しました。長いですが、一部だけ持って来られる様な内容ではないので、全文転載してしまおうと思います。

どうも。幸也です。突然ですが今日のワンマンライブをもって、自分はしばらくお休みをいただくことになりました。

期間は未定ですが、半年か、1年か、まあいわゆる無期限のお休みです。

理由のひとつは自分の体調の問題です。これはまあ個人的なことです。

理由のひとつはクライスの事務的な仕事を一度ゆっくり立て直したいということです。
この数年で色々な人が様々な裏切りや妨害行為をしてくれたので(笑)、 事務所としてガタガタになってる部分を修正したいと。バンドの動きが並行してると何かと大変なんでちょっとバンドは止めて、きちんとやるしかないなと。俺は個人的に悪くなくてもファンの皆に迷惑や心配をかけてる部分があるんで、それをどうにかしたいです。JILSが動いてても、誰か事務所を仕切れる人間が居れば良かったんですが、俺しか居ないので俺がやるしかないなと。

また、理由のひとつはファンの人がJILSをどう思って、どんな風に愛してくれているのか、ゆっくり考え直したくなったということです。特に常連?と呼ばれている人、コアなファンの人には色々問いたいです。まあはっきり言って俺もただの人間なんで、いくら自分のCDを買ってくれているファンだといっても、ぶっちゃけ好きな人も居れば嫌いなヤツも居ます。
嫌いなヤツも居ます。嫌いなヤツも居ます。

あんまりこんなこと言うアーティストもいないだろうけど。笑

でもまったく作り手、演じ手の気持ちを理解してくれてないファンでも、まったくメンバーの意志を理解せずに音源を解説してみたりライブを評論家ぶってレポートしてるアホでも、同じ作品を好きな者どうし、いつかどこかでは解りあえるのでは、と思って頑張ってきたのですが、かなり頑張る気の失せることが、最近立続けにあったので、少し色々なことをゆっくり考えてみたくなりました。

アーティスト(別に俺は「アーティスト」なんかじゃなくていいけど。)はファンを選べないのか?とか、アーティストはファンに「お前は嫌いや!」とか言ったらあかんのか?とか
、アーティストは自分のファンの子が作ってるホームページ見つけたら「このHPは最高に面白い。頑張れ!」とか逆に「このHPはクソだ!お前なんか俺のこと書くな!」とか言ったら問題なのか?とかくだらないことを色々ね。

いつもライブに来てくれていた人、長く応援してくれている人にはもちろん感謝しています。
でもその人たちが俺たちと同じように、JILSが長く続くことを現実的に願ってくれているのか、俺たちの曲が少しでもたくさんの人の心の届くよう、本気で祈ってくれているのか、俺には良くわからなくなりました。つまり一部のファンの人の気持ちが、今の俺には信じられないということです。

俺は俺の曲を純粋に愛してくれるファンの人の気持ちだけを信じて今までやって来たので、これはヤバいです。俺にとっては。。。

まあどうでもいいか。とりあえず、しばらくは休みたいから休みます。

どうか今日のライブだけは、人間としてマナーを守って欲しいものです。
今日のライブで本当にJILSの詩曲が好きならそれを俺に実感させてください。
今日は俺が最高の気分でライブができるよう、協力してください。

今後についてですが、ズバリ簡単に言うと俺は色々なことを迷っています。

俺の詩を必要と思ってくれるメンバーやファンの皆さんがまだ存在してくれているのなら、またいつかステージに立つことができる日も来るのかなとは思います。

まあどうでもいいか。やりたくなったらやるよ。好きなように生きてごめん。

しばらくは制作途中の音源を完成させたり、シェリーのプロデュースを頑張ったりしたいです。最近は様々な仕事に追われてゆっくりレコーディングすることも出来なかったからね。
じっくり完成させたい曲がたくさんあるねん。

わがままでごめん。でも、俺は俺様やからな。しゃーないで。

社長日記(No.56:休むわ。)[独白]

 ・・・幸也、何度目かの「一旦停止」表明です。もっとも、幸也の「一旦停止」自体は何度目か判りませんけれど・・・ただ、今回はなんとなく毛色が違いそうです。それほど、噂の「最前の常連」さんたちは恐い脅威の存在なのでしょうか。ノーマナーなテレコさんたちが後を絶たないのでしょうか。
 実は、幸也は最近のライヴで「引退」を表明していたことがありました。加えて、今日のライヴでは「重大発表がある」と言われていたため、JILSの解散+幸也の引退が噂されていましたが・・・JILSスレを見ると

35 :Nana :04/09/19 23:09:48 ID:Hv+zUrIX
幸也自身はまだ歌う意欲は有るから、引退はないと言ってました。

SHUNSUKE【JILS】YUKIYA【Vol.31】ICHIRO(>>35)[2ちゃんねる]

 だそうですので、きっといつか戻ってくるでしょう。
 「JILS解散」の前に「幸也が引退」ということは、幸也がヴォーカルでないJILSが有り得るのか・・・などと考えていましたが、メンバーのソロ活動についての発表があった様ですし、大体JILSから幸也が抜けるというのはMALICE MIZERからMana様が抜ける様なものです。もっとも、筋肉少女帯から大槻様が抜けたという事例もあるにはありますが、コンセプトメーカーが抜けるのは普通有り得ません。JILSとして帰ってくるのか、それともJILSを凍結したままソロとして帰ってくるのかは判りませんが、Псиはそんな日を静かに待とうと思います。

 Псиは、JILSと幸也に赤くてせつない祝福を送信します。

 

平成16年09月11日 さようなら、baroque

 あんまりです。こんばんは、Псиです。
 今日は09月11日、世間的にはWorld Trading Centerで起きた同時多発テロの日、そして一部のヒトにとっては12年ぶりに同じ名前・場所で戻ってきたBuck-Tickのライヴ「Climax Together〜悪魔とフロイト」の日です。もちろん、Псиも横浜アリーナにでかけてひさしぶりのBuck-Tickの姿を見てきたのでした。
 国際競技場ではMr.Childrenがライヴをしていた所為で、新横浜の駅は相当な混雑。20代男女と10-30代黒服女性の集団に埋められたホームや車内に辟易しながらも、Псиはなんとか棲み処に帰還。今日のライヴは本当に素敵で、でも帰り道はずっとROUAGEの曲がループしていた難儀な頭をぶんぶん振りつつ、さっさとシャワーを浴びて眠りに就こうと思ったのでした。

 おもったのに

 みなさんは、brqというバンドをご存知でしょうか。brqと言われてもピンと来ない方はbaroque、それでも駄目ならバロック、更にそれでも駄目なら「バ」の字を左右反転してみてください。それでも「名前自体も初見」と言う方は、現代ヴィジュの重要なピースをひとつ取り零しています。だからどうだ、といわれてもこまりますが
 バロックといえば、「オサレ系」の祖として有名です。それまでのヴィジュの様式・・・フランス語の読めない名前、泣き系メロディと辛気臭い歌詞、モノトーンを貴重としながらも華美な服等々・・・は、時間が経つにつれてゆっくりと変化を見せていました。しかし、「オサレ系」はそれらの概念を一気に塗り替えてしまったのです。簡単な英単語をカタカナや平仮名で表記したバンド名、同じくデフォルトで平仮名のメンバー名、馬鹿そうな歌詞、どちらかと言うとポジティヴに笑いを狙う様な雰囲気・・・実際、オサレ系がヴィジュというカテゴリにいること自体が謎で、少し前にオサレ系とファンのアクション「咲き」が対等した時などは、ヴィジュという種が崩壊するか根本的に変わってしまうかどちらかだと嘆くヒトも多数いらっしゃいました。ちなみに、「オサレ」というのはただの揶揄であり、「おしゃれ」だと思っているヒトはヴィジュ好きの中でも滅多にいないので要注意です。
 今紹介したオサレ系は一般論でしかなく、そのままバロックに当て嵌まるものではありません。というか、こうして世に言うオサレの特徴を挙げると、むしろ名前以外はあまり当て嵌まらないことが判りますが。ともあれ、インディーズ時代のバロックはたくさんのファンとたくさんのアンチに囲まれていました。そして、バロックの人気が爆発した後に、この界隈にカタカナ名前のバンドが氾濫しだしたのもまた確かです。

 そんなバロックも、人気に押されて順当にメジャーデビューを決めました。しかし、インディーズ最後の日本青年館ライヴ直前にドラムの祐二が記憶障害で脱退、更にデビューシングル発売後に謎の沈黙。順調にCDをリリースし始めたと思ったところへ、今年08月にギターの晃がライヴ中に右手に怪我を負い、誕生日イヴェントやツアーなどすべてがキャンセルされていました。沈黙期間に関しては自業自得ですが、とりあえず不運を通り越して何かに呪われているとしか思えません
 そんな中、今日になって公式サイトに重大な告知がアップされました。ちょっと一緒に見てみましょう。

いつもbaroqueをご支援頂き、誠に有難う御座います。
2001年8月から活動を始めたbaroqueは、Ba.万作脱退の為、メンバー、事務所スタッフ一同度重なる協議の結果、解散する事となりました。
なお、正式な解散の日程及び現在延期となっておりますFC限定ライブ、イベント両公演の詳細、解散ライブの詳細に関しましては、決定次第当ホームページにて発表させていただきます。
3年間、応援していただきましたファンの皆様ならびにご関係者の皆様、誠に有難う御座いました。

株式会社フリーウィル

baroque解散のお知らせ[brq official site]

 解散。・・・どうなるだろうとは思っていましたが、このタイミングで解散。なんだか、いろんな不運に流れ流されて解散に至った感が否めませんが。
 公式サイトにはメンバーのコトバも掲載されているのですが・・・あー。解散理由に万作の名前が挙がっていますが、当の本人は「アルバム制作が終わり、次にbaroqueでやりたい事や、やるべき事が見つけられなくなりました」と言っています。そして、他のメンバーは「4人でいることがbaroqueだ、だから解散しかない」。・・・ええと、何か違和感が残りますけれど、電波な脅しメールとかを頂いても困るので、口を閉じることにしておきます。

 変な歌詞の表記、表記に輪をかけて不思議な唱法、歌謡曲の香りのする楽曲・・・現在でも入手できるCDの中では最も古いシングル「東京ストリッパー」の楽曲は、そうした楽曲ばかりでした。しかし、デビュー直前の「Chaplin」から方向性は変貌。「沈黙」後の作品になるとミクスチャー色が強くなりました。もうばらばらです
 様々なジャンルを渡り歩き、2chなどではDragonAshのパクりと言われながらも、その判り易いメロディとバンドサウンドを武器に戦ってきたbaroqueは、こうして終焉を迎えました。この3年、baroqueのファンは一体どんなキモチを抱え続け、この突然の解散をどんなキモチで迎えたのでしょうか。Пси、こんなにもファンが不憫な活動履歴を重ねたバンドも珍しいと思います。せめて、baroqueのメンバーが次の一歩を踏み出せることを、そして何よりもファンのココロの安定を祈ってやみません。

 Псиは、baroqueに変身途中で終わった感を抱いている所為で消化不良気味なので、祝福も呪いも送信しません

 


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