2004年10月14日
運められた配列
Limit Controlには「CARNATION CRIME」が入っていないことを、つい最近思い出してげんなりです。というか、Λucifer知識なんてどの分野においても雑談としてすら役に立たないはぐれトリビアですから、曲構成なんかすっかり忘れていたのです。というか、あまり聞き込んだ覚えがありませんし。
それでも、「♪ぶるーぶるーだてんしぶる~」なんかよりも「♪なんたらかんたらなんたら~ かーねーしょんくらああ~い」と唄った方が判る方が多い昨今、ПсиのiPodには「CARNATION CRIME」が入って無いとはなんということでしょう・・・なんてぐにぐにと考えながら歩いている内に、ソロ活動を始めたヴォーカルのMAKOTOの動向が気になって調べてみたら、いつの間にか「越中真」に戻っていた様です。インディー落ち改め、本名落ち(こんな断りを入れると逆効果な気はしますが、ネガティヴな意味合いはありません)。
それでもサイト名は「MAKOTO OFFICIAL SITE」だったり、グッズだのツアーだのアイテム名を見てもみんな「MAKOTO」名義だったり、そもそもURLの「makoto-fanclub」ってドメインはなんだろうとか思ったり、プロフィールが迷走しすぎだったりとかで、なんだか全然判りません。
そして、Λuciferといえばe.mu。Λuciferの登場過程がアレだった為、e.muもアニメに合わせて組まれたバンドという認識をされている方がいらっしゃるかもしれませんが、実はそういうわけではありません。デビューこそ「KAIKANフレーズ」開始当初でしたが、その前にインディーズで2年近く活動しているのです。つまり、現実にいるバンドがアニメにリンクするカタチだったのですが、作中では普通に考えるとだいぶ有り得ない位置付けでした。
劇中のe.muはΛuciferのプロデューサが突如Λuciferから離れて新しく手がけた対抗バンドというポジションで、キャラの性格もぽっと出なのにΛuciferに嫌味を言う「悪役後輩キャラ」、要は単純に憎まれ役でした。さらにはデビューシングルがチャート1位とかデビューライヴが東京ドームとかの漫画的大風呂敷を如何なく発揮。そんな好敵手というよりは単純に敵キャラの名前を冠したバンドがEDを歌っていたら、視聴者はどう思うでしょう。答えは自ずと明らかです。
その内、e.muがΛuciferの踏み台としてプロデューサが作った敵役という事実が発覚し、e.muの立場は更に下落。箔が付くどころか悪いイメージばかりが定着してしまい、アニメ版が終わった後は忘却の彼方へ。結局2003年のΛucifer解散の3ヶ月後、e.muもまた解散してしまいました。
快感☆フレーズは、アニメ版もコミック版もそれぞれ別個の理由で賛否両論でした。コミック版は少女漫画の伝統を悉く打破した性表現とアレな描写の数々がメインだったのに対し、アニメ版は割と真当にバンドのサクセスストーリーを展開。主人公の立場も両者で大きく違う為、両者はほとんど別物でした。そこまで主題の違う話が同じタイトルでまとめられているのですから、評価が別れないはずがありません。
そんなわけで、コミック版至上主義者はアニメ版を微妙な視点で見つめ、アニメ版の本来の客であったであろう「コミック版に否定的だったヒト」(否定的なヒトの意見は「性的表現が多すぎる」「音楽がメインの話ではないのか」「ストーリーが全く通っていない」といった辺りだった筈で、アニメ版の様な話を求めていたと考えられます)は最初からアニメ版を見るわけがなく、そんな微妙なポジションだったアニメ版はゆったりと終わっていきました。
そうして、e.muはリンクされたがばっかりに食い散らされ、「ヴィジュアル系ってΛuciferみたいなの?」という質問にヴィジュ界隈のヒトはうんざりし、原作者の新條まゆ先生は御殿を建て・・・MAKOTOがちっとも目立っていない今、最後まで立っていたのは新條まゆ先生ただ一人な気もします。
ともあれ、アニメ版は現実の数多のリソースを食い散らしました。もちろん、e.muだって作品とのリンクで知名度が一気に跳ね上がったでしょうし、Λuciferのメンバーも得をした部分があった筈です。Λuciferが元でヴィジュに妙な思い入れを持ったものの、界隈に参入してみて本当に泥沼にはまったヒトもいらっしゃることでしょう。
作品が現実のリソースの印象を変えることは、とてもよくあることです。ここでいう「リソース」は、もちろんキャラを演じている声優さんやスタッフを含みます。ただ、「KAIKANフレーズ」のアニメ版は、現実のリソースに対して・・・演じ方がどうとか、演出がどうとかということに因る、普通のアニメ作品でも充分有り得る印象の変化と違って・・・かなり間違ったディレクションを行ったのかもしれない、なんて思ったりするのでした。
冒頭でお話した「CARNATION CRIME」は、アニメ版「KAIKANフレーズ」の終了後にリリースされたシングルです。音楽番組での露出もそこそこにあり、「堕天使BLUE」などより有名なのもその為だと思われます。もっとも、それらの曲よりも遥かにキャッチーで覚えやすいのも手伝っているかもしれませんが。
・・・いろんなバンドが消えていく現実を見て、なんとなくe.muのことを思い出してみようと思いました。でも、このままではΛuciferがただの話の枕でしかなく、とてもココロに悪いので、今日は1日「LIMIT CONTROL」を聴こうと決めたのでした。
決めたのですが、1曲目の「堕天使BLUE」が終わってしばらくして我に返ると、いつしか耳に響く曲はROUAGEの「プラネタリウム」でした。どうしてでしょう。Псиにはわからないですよあはははは(壊)。
結局、つばささんにTrackBackを送ろうとしてもエラーが出て無理、ということが判って、傷心のПсиはつらつらとそんなことをうだうだと考えてはっきりしない天気の日を過ごしたのでした。
♪~亡骸を[黒夢]
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