天使のいない11月

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いえ、ふつうにいるのですけどね。

仮想iPadはなんとも便利で、ばかに重いノートパソコンの代わりを充分に果たしてくれています。
でも、入力だけはどうしても悩みの種で。標準的なローマ字入力だと読みを入力して候補を選ぼうとしたら「w」を押してしまったことがあるのは、Псиだけではないはず。ぱたぱたとタッチタイピングをしたところで、一文字引っかかっていると修正がひどく面倒ですから、結局該当の箇所までぜんぶ削ってやりなおし。文字は打てるけど文節移動は使いこなせない初心者の方(参考:趣味悠々)を彷彿とさせる入力具合です。

そこで、Apple Wireless Keyboardを使ってみることにしました。話に聞くところでは、これを使った時の快適さといったらないそうですし、もしもiPadが合わなくても仮想Macに使えばよさそうです。それに、これを活用するためのeneloop環境は既に揃っていますから、カッコーばりに遅れてきたルーキーといえます。
iLife '11と一緒に購入して、おおよそ¥10,000ちょっと。iLifeはすっかり薄くなり、Apple Wireless Keyboardは心底軽く、価格と重量感が比例しないあたりが21世紀でありイカれた時代へようこそです。

そんなこんなで、ここ一週間ほどApple Wireless Keyboardを使ったみたのですけれど。
感想を正直に言うと、すばらしいけど微妙です。
この単純スイッチのキーボードには既に仮想Macで慣れていますし、とにかく軽いので持ち歩きも全く苦にはなりません。Bluetoothヘッドホンとちがって、Apple Wireless Keyboardの電源をON/OFFすればiPadが勝手に認識して接続し直してくれますし、その意味でも面倒さはゼロ。加えて、入力はキーボードなのですから快適じゃないはずがありません

こうしてとみにすばらしいApple Wireless Keyboardですが、じゃあ何が問題なのかというと、iPadのIMEにすべての原因があります。
いえ、IMEだけでなく、Bluetooth接続であることも影響しているのかもしれませんが...とにかくゆっくり打鍵しないと、読みの最後の数ワードを拾いきれずに変換することがあります。たとえば「へんかん」を変換した時に、「変化ん」という秋桜
のいたずらのような有様
になることがよくあるのです。こんな時に「ん」を削除してもういちど「ん」を入力すると「変換」が候補に出るので、読みの認識を間違えているのでしょう。
変換が追いつかないだけならまだ良いのですが、「へんかん (スペース)」というあんまりな入力もたまにあるのがしょんぼり。

他にも、(特に単漢字)の変換で思った様な候補が出ないとか、候補を決めた後に勝手に次の文節を選ぶモードに入ってしまい、カーソルキーで他の場所へ行きたくてもカーソルを離してくれないとか、「ごびが」を「語尾が」に変換しようとしているのに一番最初の候補が「語尾を」で、流れで確定いすると「語尾をが」になるとか、とにかく日本語入力が返す返すも残念。意図しない無駄な改行がいくつも入ったり。Escが基本的に全く役に立たなかったり。
使っていて感じるのは携帯電話的な予測変換しか入力機能を持たない端末にキーボードみたいな入力効率の良いデバイス付けたらこうなるよねということでした。多機能を削ってでもストレスのない入力を求めるなら、仮想pomeraの方が数億倍マシです。

もっとも、携帯電話的な入力と違うところもあって、長文を一度に打つ時は圧倒的に快適になることです。ある程度以上の文字数になると文節で分けずにそれなりの精度の変換候補を出してくれるのがかっこいいところ。ですから、たとえば何かを写経するとかの用途にはとても向いています。天使が写経っておかしいですけど
でも、短く短く考え考え書き進める様な使い方にはやっぱり不向き。キーボードはすてきなのですが、iPadで使うとなるとIME的な意味でなんとも微妙なのです。
そういえば、iPad用のiOS4.2は11月リリース予定です。iPhoneではすでにおなじみのフォルダ機能やマルチタスキングも気にかかりますけれど、日本語入力も改善されていることを祈ってやまないのです。

...一応Developer Networkには所属しているので、iOS4.2のBetaはダウンロードできる環境にある(ような気がします、たしか)のですが、普段使いのデバイスを試験用に回す苦悩は仮想iPhoneでさんざん味わったので今回は静観です。「せいかん」で最初の候補に「盛観」を持ってくるiPadに破滅を! 綺羅星☆


...どうして仮想AmazonのApple Wireless Keyboard(リンク先はAmazon)はこんなに高いのですか。


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このページは、Псиが2010年11月 5日 23:06に書いたブログ記事です。

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