2010年12月アーカイブ

宇宙戦隊NOIZのアルバムを、おかしくなるくらい聴いているのです。
先週、何を思ったか無料で全曲配信されたアルバム「GENOM EMOTION」は、それはもうびっくりするほどNOIZで...しかもすごく格好良くて。

初聴きの諸々をお酒で飲み込んで聴き通したПсиは、アルコオルの代償でいらないことまで思い出したのです。メトロノームがだいすきでNOIZがだいすきな天使にとって、あまりに残酷だった一昨年(メトロノーム活動停止)から去年(NOIZメンバー変更)。そのころちょうど棲み処で膝を抱えるリズムに変節を迎えたПсиは、すっかりただの音源ヲタに成り果てていたのです。

...音源ヲタと言いながらその後のNOIZは全く聴かずにいたので、「GENOM EMOTION」の全曲無料配信は本当にタイムリーなお話だったのです。全然ヴィジュの範疇から離れて音源ヲタは音源ヲタでもドラマCDとかラヂオCDばかりか二次イベントにはでかける日々に鬱々としていたПсиは、配信開始から繰り広げられたDLゲームをくぐり抜けてアルバムを聴いてみたのです。

「GENOM EMOTION」というアルバムは、つくづく大変なアルバムです。
配信だからって手を抜くことはなく、320kの高音質mp3で全10曲、しかもライナーノートすらPDFで添付されているのです。必要なものはメールアドレスだけ。期間限定とかではなく永遠に配信され続け、しかも「CD版」とかは(FC特典以外)存在しないのです。

お店にはないけど誰でも手に入れられるCD。
そして、なによりも大変なのがその内容です。

Псиはメンバー変更前のNOIZしか知りませんが、そんなПсиですら1曲目から「間違いなくNOIZ」と感動する様な内容だったのです。しかも前半からたまらなく格好良い曲で占められていて、初回からПсиのココロはすっかり持っていかれてしまったのです。
1曲目「アンドロメダパレード」はアルバム的な意味でもライヴ的な意味でも正しくNOIZの1曲目ですし、2曲目「-SHINE-」は正統派なNOIZなのに作曲は新メンバーの呼太郎、3曲目のエタァナルレイディヲは...もうПсиはこの曲が好きすぎて、イントロがかかっただけできゅんきゅんが止まらないのです。

この調子で話していくと千日の戦争よりも長い不幸が降り注ぐので、おねがいですからいますぐDLして聴いてください。リンク先のメンバー写真を見るとどういう音楽やってるのかさっぱり謎でしょうけれど、実はデジデジしくてロックで1曲の中で曲調がばしばし変わっては戻るオルタナちっくな...っていうかいますぐきいてくださいおねがいします。

アルコオルの作用は甚大で、この...とてもすばらしいアルバムを聴きながら、この数年が完全に後ろ向きだったことに涙さえ流したのです。ヴィジュが自意識によってヴィジュたり得る様に、ヴィジュ好きにも自意識は求められるのです。バンギャは「あがる」と決意してあがるのではありません。気付いたら上がっているのです。...例外はあるでしょうけれど。
そんなヴィジュ方面ではすっかり枯れ山水のПсиに、後悔する機会と歩く気力を与えてくれたのが「GENOM EMOTION」だったのです。配信日にアルバムを全曲聴いたПсиはすぐにライヴ情報を調べ、どうも12月03日にツアーが始まるらしいことを知って...直後にはチケットを予約していました


それからずっと「GENOM EMOTION」を聴き狂い、足りない時期を埋めるべく「GREAT ROCK'N' ROLL HEROES」を買い求めたりしながら、ライヴの日を待ち望み...今日じゃないですか。

配信日に、しかもDLゲームをくぐり抜けた上でのチケット購入にしては、ひどく早い整理番号で心底驚いたのです。もしかしたらNOIZのファンは今はそんなにいないのではないかしら。すごく少ない人数でステージ前で固まって暴れているのではないかしら。
もちろん、そんな心配は杞憂で終わりました。仮想吉祥寺というふしぎなロケーションの、見つけにくい場所にある仮想CLUB SEATAの入り口と逆側の壁際で、Псиはずいぶん長い時間ぼんやりとしていました。ヒトの入れ替えの激しさやその他諸々を横目で見ていましたが、基本座り込んでぼんやりしていたのです。

そうです。Псиにはわかっているのです。

NOIZはあの登場をするのでしょう。しないのかもしれません。わかりません。そこはどうであれ、好き勝手に暴れるメンバーとファンを、Псиは壁際で適当に乗っかりながら見つめるだけなのです。たぶんドリンクを公演前に引き替えちゃう様な贅沢をして、Псиはこの壁際でただその様子を眺めているだけなのです。
そうして大惨事なフロアを眺めながら、自分に降りた時間に、いえ、皆に平等に時間が経過しているのを解っていながら後ろを向き続けていた自分の、空白の時間に咽び泣くのです。
そうして、柱に分かたれた水流はもう二度と合流することなく消えて行くことを悟って、Псиは暗闇の日々を過ごすのです。

整理番号のおはなしはなんだったのか、というくらいにごった返す場内で、壁際で膝を抱えるПсиに、その時間は訪れたのです。

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