iPhoneがほしいとおもって。
AppleのiPhone4Sについてのプレゼンテーションを見て、あのSiriという機能を使ってみたくてたまらなくなったのです。
端末のスペックはどんどん上がり、もう周波数的に頭打ちだろうと言っていたら今度はコアが割れ始め、ムーアの法則が破綻した今でも端末スペックは高く、そして価格は安くなっています。
でも、コンピュータは頭が良くなっているのかというと、残念ながらそうでもありません。漢字変換などを例に取らずとも、ユーザの無駄な操作と無駄な条件判断はぜんぜん減りやしません。むしろ、コンピュータでできることが増えれば増える程、そうした煩わしさはどんどん増えていると思うのです。
任天堂のゲーム機やKinnectの様に、あのSiriという技術はまさしく「高性能をインタフェイスに割り当てて新機軸を作り出す」ものだと思っています。昔からViaVoiceとかに興味を持ち続けていたПсиとしては、今はまだ英語限定だとしてもどれだけの精度でどこまでのことをしてくれるのか、とても興味を持ったのでした。
ПсиのiPhoneは3Gのままで、買い替えるタイミングがわからないまますっかり陳腐化してしまいました。今ではWi-Fiにも繋がらず3Gでデータ通信もできず、仮想位置を埋め込める低解像度カメラとしてしか使えません。
かといって、他で持っている携帯電話もヒンジがすっかり弱ってしまって、もはや余命幾ばくもなさそうです。一度ヒンジを破損して修理に出したのですけれど、返ってきた時から既にヒンジが弱かったので、もう次を探すべきなのでしょう。
次のiPhoneがほしい。本当はiPhone5がよかったけれど、そうも言ってられない。どうせメインのガラケーさんが残念なので、メインをiPhone4Sにしてもいいのでは。そんなことをここ一週間ばかりぐねぐねと考えていました。
今までは(ほぼiPhoneが機能していなかったとはいえ)2台持ちですから、仮想日本特有のガラケーサイトのやガラケーサービスのビッグウェイヴにも上手く乗っかることができたわけですが、メインをiPhoneにしたらそうもいきません。よく、携帯専用サイトにPCから接続したら「携帯専用なんだから携帯でみなさいよねぷんすか」みたいなコトバと一緒にQRコードが出るサイトがありますが、それらは3つの手法で「携帯じゃない」と判別しているのです。
- 携帯ブラウザでのアクセスかどうか
- 携帯電話のIPアドレス範囲かどうか
- 携帯電話の固有IDを持っているかどうか
1はUser-Agentのお話なので、偽装さえしちゃえばなんとかなります。iPhoneやAndroidで「携帯サイトを見るためのブラウザ/アプリ」として登録してあるのは、「自分は携帯電話のブラウザだよ」と銘打ってWebサイトへ見に行ってくれるブラウザで、1(だけ)を対策したものです。
逆に言うと、ユーザ側で対策できるのは1だけで、他の2つについては対策できません。
普段意識することはありませんけれど、i-modeだろうとezwebだろうと、インターネット上のサイトと接続する場合は(メニューを使う使わない関係なく)携帯電話がそれらのサイトへ直接繋がっているわけではありません。一度、i-modeなりezwebなりの共通トンネルを通って通信をします。(技術的なお話は置いておきますけれど)途中でトンネルを通るとどうなるかというと、IPアドレスがトンネル出口のもの=キャリア固有のものに変わるのです。
携帯電話からの通信のIPアドレス範囲は判っていて、各携帯電話キャリアは(たとえばこのように)どんなIPアドレスを使っているのか公開しています。iPhoneやスマートフォンが3G通信をする時は更に違うトンネルを使いますし、そもそもWi-Fiで勝手にIPアドレスを持つこともできます。
携帯電話と同じトンネルを潜らない限りはiPhoneでそのIPアドレスを持つことはできませんが、勝手にそこへ潜ることはできません。つまり、携帯用サイトで「携帯用IPアドレスでなければホームページ見せない」という設定をしていた場合、もうiPhoneやスマートフォンではどうしようもないのです。そして、この設定は多くの携帯用サイトが施しています。
そうすると「そもそもIPアドレスなんか見ないで全部に解放すればいいのに」と思われるかもしれませんが、もし全IPアドレス許可とすると「機能の制限された携帯電話が接続すること」を前提として作っていたサイトが通信解析から詐称通信からなんでもありの修羅のセカイに放り込まれることになります。セキュリティを考えるととてもおそろしいので、そんな日はたぶん来ません。
固有ID(ケータイID)は更にややこしい話なので置いておきますけれど、ともかく携帯電話とスマートフォンは(こと仮想日本においては)全く別物です。あまりに別物すぎて、裏での通信方法すら変わるのです。
こんなことを長々お話できるくらいには裏側のしくみもわかりますが、しくみがわかっていることと携帯固有の通信をあきらめることは別問題です。メールなどはなるべく差異がないようにキャリアががんばっていますが、サイトの問題は仮想日本にいる以上どうしようもありません。そして、Псиもそれなりに仮想日本で日々を過ごしてきましたから、携帯サイトにはどっぷりと浸かっていて、課金もしていて、だから簡単に諦めることなどできないのです。
もう携帯サイトの整理も面倒なので、iPod touchがiPhone4Sと同じカメラとSiriを使えればなんだっていいよと思っていたのですけれど。
色々と思い直して、iPhone4Sを買うことにしました。
各社ともスマートフォンしか売らなくなっているこのご時世、携帯サイトが早々に姿を変えていくのは明らかです。iPhone4SはMicroSIMを使っているので、従来の携帯電話で使えなさそうなのがネックでしたが、どうやら差し替えも可能みたいですし、それなら「とりあえずiPhone、やっぱり必要なら携帯電話にSIMを挿し直し」もできそうです。
iPhone3Gの経験がありますから、もうiPhoneが致命的にダメ、という事態は考えられません。それに、「いざとなったら差し替えられる」という保険はとても大きいものです。もちろん、差し替えることなどなく、そのまま前の携帯電話のことなど忘れ去ってしまうのかもしれません。あるいは、メインで使うには著しい不具合があって、早々に売り払うことになるのかもしれません。相互に使うことさえできれば、とにかくなんとかなりそうです。
そうは言いつつも、iPhoneがメインの前提ですから、携帯電話固有のサイトは次々と解約。固有のものでも解約がもったいないものはとりあえずそのまま。アドレス帳は全部移行。かなりゆるい運用を考慮しながら、iPhoneへ移動する準備をはじめたのでした。
♪〜マス現象/ヴァリエーション1(有象無象編)[cali≠gari]
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