ワゴン。
この三文字に胸をときめかせるヒトは、もうとっくに重症だといえます。Псиにとっても仮想ワゴンはとても大事な存在でしたが、クソゲーオブザイヤーの存在はあまりにも大きく、いつしかПсиは仮想ワゴンを探求することがなくなってしまったのです。
四八(仮)もメジャーWii~パーフェクトクローザーもとりあえず持っていますし、なぜかノミネートすらされなかったTHUNDER FORCE VIも余裕でしたが、それでもアレなゲームについてはすっかり受け身の日々が続いてしまったといえます。
いけません。
Псиも少しは頑張って、良くて毒にも薬にもならない様なゲーム、悪くて天を滅ぼす「破」と成ってしまう様なゲームを発掘するべきなのです。そこまで使命感に燃える必要もありませんが、ともあれ今日は昨年リリースされながらも全く話題にならなかったWiiのゲームを¥980で仕入れてきましたので、ここでプレイしてみようと思います。
とりあえず公式サイトを見てみましょう。サイトが始まる前にTVCMをそのまま流すあたり、なんとも斬新です。
ちなみに、「アルゴスの戦士」で検索、という様なことを謳っていますが2009年11月ではWikipediaのアルゴスの戦士ページがGoogle第一位です。トップページでタイアップしているハッスルもなんだかおかしなことになっていますし、これが「諸行無常の鐘の音」というやつでしょうか。溢れ出る愛しさとせつなさとココロ強さと何かを押し止めつつ、さっそくディスクを仮想Wiiに入れてみます。
まず、タイトル放置で流れるムービーではナレーションが無駄に英語です。いかにもWii...というよりなんかドリームキャストっぽい映像の合間に効果過剰なせいかディザディザなプレイ動画が出てくるのですが大丈夫でしょうか。
台詞もナレーションも英語なのに、一番最後に出てくるタイトルは「アルゴスの戦士 マッスルインパクト」と逆に横文字っぷりをはね除ける無骨さがあるのは気のせいでしょうか。
もうひとつのデモはプレイデモで、荒廃した神殿の様な3Dフィールドを主人公が駆け抜けます。普通に3Dですね、という以外に感想はありません。一回一回異なるステージを走り回るのですが、海腹川背的なディスクの使い方を強要される場所もあり、不安はつのるばかりです。
戦いの他には何も持たない戦士ゼーンは、身よりもなく戦いに明け暮れる中過去の記憶も失ったそうです。唯一の希望はハルモニア姫だけ。
ここで唐突にハルモニア姫が登場し、ゼーンへの戴冠式の場面に移ります。勲章的なことなのかなんなのかは判りませんが、主人公も過去の記憶が無いらしいですし、仕方が無いでしょう。
それにしても、戴冠式でゼーンの周りで畏まっている兵士達はみんな揃いの兵装なのに、どうしてゼーンだけ上半身裸で兜も着けない独自のスタイルを追求しているのでしょうか。GGXの闇慈がプロテインを飲み過ぎて白髪になったみたいなルックスはだいぶアレです。
戴冠式の最中に、姫は急に夢の話を始めます。最近怖い夢を見る。その夢の情景を伝えるコトバにゼーンがいつの間にかシンクロし、姫はびっくり。ゼーンもびっくり。
「俺が船上で見た夢を、なぜあなたが!?」
そうこうしている間に化け物の皆様が登場し、あっさり姫をさらってしまいます。曲がりなりにも姫の謁見の最中だからか武器を持っていないゼーンはあっさり大物に倒されてしまいました。そのままゼーンは大物の一撃を受けてどこかに吹き飛ばされてしまい、姫は連れ去られてしまい...姫は絶叫します。
「ゼーーーーーン!!!」
ええと、今まで何も言いませんでしたけど、ポリゴン人形の造形は2009年的にちょっとアレです。TECMOといえば誰もが思い出すのがDEAD OR ALIVEの筈で、そりゃ同じチームが作っているわけではないですけど、それなりの3D造形を期待するものです。
でも、なんというか...人形は動きも含めてとても標準的止まりに見えますし、何よりこの「ゼーーーーーン!!!」の叫びは声が叫んでいるので絶叫だと判りますが唇が全く動いていないという、紙芝居的に見るとちょっと残念な出来映えです。
あ、あと、やっぱりコトバは全部英語喋りで日本語字幕です。なぜかは謎。
ともあれ、落下していくゼーンに光が降り注ぎ、そして女性の声が響きます。
あの異形のモノは神に見放された闇の存在「ティターン」。そのティターンと戦うか否か問うゼーンに、即答で戦うことを宣言。ゼーンは光の声の導きで城の地下まで落下し、壁に埋め込まれていた武器「ディスカーマー」を手にします。
ここで操作が可能になった、と思ったところで、画面下に2行で案内。
Aボタン...攻撃1
Bボタン...攻撃2
いえ、そんなこと急に言われても。じゃあ、とAとかBとかを押していると
Zボタン...ジャンプ
Cボタン...ガード
どうも、こちらのボタン操作には関係なく、時限制で勝手に字幕は流れる様です。
ムービーからそんな印象を持っていましたが、とにかく唐突です。起こること起こることとにかく唐突。あれだけいた兵隊はティターンに全く立ち向かわなかったのかが謎ですし、この場所も...をを、よくみたら右下に小さくマップが出ています。結構入り組んだマップですが、どこを目指せば良いのでしょうか。字幕はボタンの説明をしてくれても、マップのアイコンの話は一切してくれません。
とりあえずヌンチャクを使って歩いてみます。
歩いて...
......
...
ええと、Псиはバイオハザードやデビルメイクライなどの、3Dアクションをあまりプレイしないので、これが標準的な仕様なのかどうか判りませんが、左手奥のドアに入ったら画面が切り替わって奥からこっちを向いて出てくる、FFVIIみたいなカメラワークってアクションでも普通なのでしょうか。Пси、FFVIIでさえオープニングムービー後の駅抜けるのすごく苦労した気がするのですけど。
なんだか急に真上からの視点になったり、こっちへ向かったりあっちへ行ったり、そしてもちろんZ注目はありませんし、一体なんなのでしょうか。
視点の切り替わりが激しいのでマップ見ながら移動すると絶対混乱するのはうけあい。仕方が無いのでマップは無視して道なりに進んでみると、なんだか壺っぽいものがありました。壊すと光るアイテム的なものを発見したので、取ってみます。
スファイラ獲得。強化ポイント10
「スファイラ」が何か、「強化」が何かは、例によって字幕は教えてくれません。マニュアルには書いてあるのでしょうけど、そんな気力もなくなってきたので先へ進みます。
しばらく進むと、なんだか光った獅子の像みたいのが見えてきました。近寄ってみると
Aボタンを押す
字幕はいつもこうです。なんですか、そのえらそうなゲームブックみたいな語り口は。渋々言う通りにすると
獅子の像がディスカーマーと共鳴している。
これまでの戦いの記憶が蘇る...。
セーブポイントでした。それならそうと素直に「戦いの記憶を書き留めるならAボタンを押す」とか言ってくれれば遠くから何度も攻撃せずに済んだものを。なんだってこんなテキストにしたのでしょうか。
メッセージは他にも不思議がいっぱいで、たとえば
ネクタルで 体力を回復
なんか光っている像みたいのに近づくとこんなメッセージが出るのですが、この状態で回復しているのか像を壊して回復なのでしょうか。それにしても、ネクタールってギリシヤな世界観的にアリ、ですかね(絶望先生的言い回し)。
神界の鎧で 体力が増強
どうして全部体言止めですか。語り手としては雰囲気を出しているつもりかもしれませんが、鎧を装備とか使うとかで体力が倍増「する」のか、取得したことで体力が倍増「した」のか判断する術がありません。なお、このゲームの体力は普通にゲージですから、数値的に倍になろうとプレイヤーにはわかりません。
ステータス画面を見てみると、「無のディスカーマー」というメニュー項目から派生して技表を発見しました。どうやらAとBとS(wing)の組み合わせで技を使い分けられる様ですが...
- A...ディスカーマー攻撃[スネークバイト]
- AA...連続攻撃1[スラッシングヴァイパー]
- AAA...連続攻撃2[ヘッドリフトヴァイパー]
- AAAA...連続攻撃3[サーペントプレッシャー]
- Aを押し続ける...スナップ(→この後リモコン操作で投げたり振り回したりできるみたい)
- B...ヴァリアントブロウ[ビーストサプライズ]
- AB...浮かせ技(連続攻撃IV)[ライジングホーク]
- ABB...連続攻撃IV2[ハンティングホーク]
- AB+Bを押し続ける...空中スナップ[エリアルスナップ]
- ABBS...連続攻撃IV3[イーグルグライド]
- AAB...連続攻撃2V[プレデターレイド]
- AA+Bを押し続ける...引き寄せ投げ[プレイングリンクス]
- C...ガード
- (着地時に)C...受け身
- (空中で)A...空中ディスカーマー
- (空中で)Aを押し続ける...空中斜めディスカーマー
...なんですかこの量は!
分類も連続攻撃IVとIV2とか2Vの謎の記述が続きますし、そもそも「技の概要[技名](実際の画面では表現方法が異なります)」とした時に「ディスカーマー攻撃」や「連続攻撃」はまだ説明になっているとして、「ヴァリアントブロウ」は「浮かせ技」に並ぶくらいメジャーな説明文句として成り立っているのでしょうか。
あと、リスト中気持ち悪さを感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、ステータス画面の解説では半角のAに混じってところどころ全角のAが存在。半角Aと半角Bに挟まれたりすると違和感ありありです。
でも、Псиは勇者で戦士ですから。ここはこれらの技を考えずに感じ取り、できたら華麗なプレイングの為に「いけない、ここでビーストサプライズだ!」などとあえて技名を使って進んでみたいものです。むりですごめんなさい。
そうこうしている内に大きい敵が出現ですが、シールド防御なんて完全無視してモーションが切れるまで攻撃ボタンを連打しては後ろに逃げてまた近づくの繰り返しという大変勇者様らしい戦い方で、あっさり撃退できました。ひゃっほう。
でも、その先へ進んだらスマブラXの亜空間みたいなグラフィックが出て「封印されている」というご無体なメッセージ。じゃああんなところに思わせぶりな敵置いておかないでくださいっ!(きゃあきゃあ)
しかたがないので違う道からコロッセオ南解散3Fに到着すると、3Dアクションにはおなじみトゲ吊り天井のお出ましです。きっと良くて半分、悪くて全部くらい体力を削られてしまうのに違いありません。...そういえばこのゲーム、残機って概念はあるのでしょうか。いえ、たぶんないのでしょう。3D=リアルですし。
下にもトゲの生えた床があるので一見難しそうに見えますが、天井と天井の間には通路脇にくぼみがあるという親切設計。くぼみ入り口の樽さえ壊せば簡単に回避できます。
かといっても、そうそう上手く行くわけもなく、二つ目の天井を抜ける際に下敷きとなってしまいました。どうみても大阪城地下のアシュラマン的な助からなさですが、減った体力が...1/10程度。いや、1/12かもしれません。
...
......
もうタイミングを見計らうのやめました。
吊り天井の向こうには怪しげなオブジェクト。なんと、馬の首がモチーフの巨大な香炉みたいなものです。おもむろにこれを持ち上げるゼール、ずりずりと動いて向きを変えます。ちなみになぜかこの間ずっとリモコンは震えています。
90度向きを変えると、ゼールの向こうは大きな窓。投げ飛ばすのかしらと思いきや...
向きを変えただけでそのまま設置。
.........。
すると、
さっき封印されていた扉の封印が解除されたようです。
.........。
なに?どこからつっこめばよいのですか?
なんで向きを変えれば良いことを知っていたのゼール、どうして違う解にある扉の封印が解除されたことが判ったのゼール、適当に進めたら勝手に謎が解けたというのは親切を通りこして最悪の経験ですが何をどうすればいいのゼール!!(斜めディスカーマー)
意気消沈で封印の処まで行こうとしたら、吊り天井の動きも止まっていました。なんてしんせつなげーむかしらー(棒)。
封印されていた扉に近づくと、容赦なく敵が登場します。全然視認できない場所から唐突に沸いてきた様に見える辺り、3D悪魔城の悪いエッセンスを吸収した様な代物といえます。
なんとかAABで倒して扉を通過、なんだかぴかぴか光っている像を壊すと、
石版ティターン神話を手に入れた
ええええええ。そこは「石版ティターン神話を入手」じゃないのですか!「Aボタンを押す」くらいは仕方がないとしても、一度決めたなら体言止めを貫きなさいな!
ステータス画面で石版を読むことはできますが、内容は...あああ...もうゆるしてください(何)。ベタすぎてどこからどう突っ込んで良いか判りませんが、なんか神族から地底に追いやられた魔族は人間を取り込んで一部のヒトは魔族のチカラ(超越気味)とヒトのココロを持った魔人になったらしいってなにこの文章だけの3ページデビルマン。
ゲームだって、本や音楽と同様に自らの知見を広める為の1コンテンツである筈ですが、ここまできてПсиはすっかりココロを閉ざしてROUAGEの「蜃気楼」を口ずさむ始末。棲み処の中で煌々と光る仮想液晶テレビに向かって死んだ目でWiiリモコンを振る天使の様子は、まさに「なにひとつないから なにかをさがして」状態です。
そうしてたりたり進んでいると、なんだか広場に出ることができました。なんだかのメッセージと同時に巨大な石像「ヘカトンケイル」が登場しました。どうやらボスキャラの様です。迫力にはびっくりしましたが、びっくりしている間に焼かれておしまい。攻撃方法もまじめに習得していませんでしたから、今更どうしようもありません。ぼんやり画面を眺めていると、ゲームオーバー画面が表示されました。真っ暗な画面にテクスチャ文字で
THE LEGEND IS DEAD
うん。
たしかに。
伝説はもう死んだのですね。
「アルゴスの戦士〜マッスルインパクト」は「骨太」と「爽快感」を売りにしている3Dアクションですが、少なくとも爽快感を売りにするならカメラを斜め後ろ固定にするとか、もう少し違う方法を考えるべきです。敵を屠る爽快感を得る前に移動で混乱をもたらしてどうしますか。
2008年末発売のソフトでありながら、キャラの進む方向とMAP上の移動方向が容易に紐付かない13日の金曜日システムを貪欲に取り入れる姿勢も素敵です。
あと、爽快感を売りにするならWiiリモコンでの技の出し方を段階的に開放させるか、なんにせよ多すぎて複雑すぎたらガチャらせておしまいだと思います。せめて同じAを4回連打するにもそれが「サーペントプレッシャー」だとわかってやっているなら良いものの、技の名前を叫ぼうにも技表はマニュアルに載ってないのでいちいちゲームを止めてヘルプを見るか暗記しておくしかないというとても骨太な仕様です。
もしかしたらスーパーじゃなくてリアル路線なのかもしれませんけど、だったら技名付けるなという話ですし。
これでストーリーモードについてはお話してみました。もしも反響がちょっとでもあって、Псиに気力があったらもうひとつのモード「マッスルモード」にも触れたいところですけれど...Псиはしばらく仮想迷宮に潜ります。なんだかもうごめんなさい。
♪〜タチムカウ-狂い咲く人間の証明-[筋肉少女帯]
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