錆び付かず廻る記憶が、時折 ( 醜く ) 痛み出す。

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 人生辛けりゃ俳句を詠めよ、それでも駄目なら奥の手あるぜ(©筋肉少女帯)、というわけでBuck-Tickの「十三階は月光」を聴きました(導入と内容は関係ありません)。どうでもいいですけど、CDexはMP3に変換する時にアルバムタイトルを「柔三階は月光」に化かすのとかやめてください。
 というわけで感想。ええと、どこまで暗黒小劇場風味なんですか。一言で終わるのも詮無いことだと思うので、もうちょっと伸ばすことに。

 今までのBuck-Tickのアルバム1曲目を考えてみると、「ICONOCLASM」や「スピード」や「キラメキの中で...」や「タナトス」や「Baby, I want you」や「疾風のブレードランナー」や「ナカユビ」とかで、かなり強めの曲ばかりでした。こうして振り返ってみると、今でもライヴで演奏されている曲多いです。
 毛色が違ったものといえば、「Six/Nine」の「Loop」があります。今井さんが作ったアンビエントなループに乗って、櫻井敦司がぼそぼそ喋っている「歌」。「Six/Nine」は静けさから始まりつつ次の「LOVE LETTER」でブレイク、という流れがあるわけですが。

 今回の「十三階は月光」は、今挙げた内のどちらでもありません。そもそも1曲目がインストだったことってあったでしょうか。静かで暗めなインストが明けたら負けないくらい辛気臭い歌ものが続いたことってあるでしょうか。ここまでひとつのフレーズをアルバム内で使い回したことがあったでしょうか。シングルを聴いたヒトなら、「DIABLO」はアルバムの空気を表していると思って良いです。って、あそこまでトリッキーな曲は珍しいですが。
 「Six/Nine」や「Sexy Stream Liner」の後付けちっく(ごめんなさい)なのと違って、今回は正しくコンセプトアルバムです。しかも、曲調も・・・Buck-Tickお得意の中間調楽曲ではあるですけど、ちょっと趣が異なっているのがポイントです。取っ付き辛さは似た様な感じですけど

 というわけで、最近続いたアルバムとは違って、限りなくスルメ。始まりと終わりが決まっている、という意味では「Six/Nine」や極東+Mona Lisaに近いものがありますが、それらが最初の曲と最後の曲で内容をカプセル化しつつ、内部ではバリエーションの広さなどで勝負していたのとは全く違うアプローチ。一昨年の、中継が入った2DAYSの「DAY IN QUESTION」(中間系の曲ばっかりでした)が好きなファンだろうとなんだろうと、(好きになるまでの時間にかなり違いはあるでしょうけど、少なくとも)初聴き時はかなり吃驚する筈です。
 とりあえず、「ROMANCEかっこいいよかっこいいよROMANCE」とPOP JAMを見ながら思いつつ、カップリングの「DIABLO」を知らないままアルバム買うのはちょっと冒険すぎます。あと、「テーマはゴシック」ということに縛られすぎると痛い目に遭うかも(間違いなくゴシックではあるですが、想定しているゴシックの方向がたぶん違っちゃってる気が。とりあえず、MALICE MIZERの「薔薇の聖堂」をイメージすると吃驚します)。雰囲気としては「intro.」と「幻燈機械」と「サーカス」を核にして「intro.」のフレーズをアルバムの随所に出した様な「Puppet Show」とかですけど・・・「幻燈機械」や「サーカス」の様な透明感も無いですし、なんと言えばいいのか。。
 「DIABLOはアルバムの象徴」とか「ゴシック」とかの一言アドヴァイスは、聴いてみると納得するけど聴かないと十中八九誤解する気がしてきました。というわけで今すぐ聴いてください。怖ければレンタルでもなんでもして。

 前のアルバムと比較しようと考えると、どうしても「Six/Nine」を出さざるを得ないところですが。形式はそんなですけど、中は漆黒暗黒闇舞台。ツアーでももちろん強力な曲になるでしょうけど、普通にライヴ立ちしそうな「ALIVE」とか、あるいは中間系の「異人の夜」とかが一人立ちする絵を考えても、それはそれで素敵そう。
 返す返すもとんでもないアルバムです。よおし、もっと聴くですよ~。ゆくゆくは同人誌ですよ~(何)。それはそれとしてイヴェントで買ってきたのはいいけどBuck-Tickが強烈すぎて全然見てないPhantasmagoriaの「幻影像」も見るですよ~。・・・いつかそのうち(えー)。


 そういえば、ポップジャム出演時は今井頬には何もなかった気がしましたけど、あれはПсиの高鳴る鼓動が見せた幻覚ですかどうですかっ(おちついてください)。
 すごく細かい話ですけど、毛色の違いの一端には最近のメイントピックといえる今井ヴォーカルが全く無い辺りがあるかも。Goblinの「おーいえー」くらいですか。


 そしてEverlasting-K。
 ・・・音は色々違うものの、曲調が元気な方のLaputaっぽいんですけど。好き嫌いはともかく、声がちょっと青めで細めですし。LUNA SEAを聴いた後のSUGIZOソロみたいのを想像していたですが、そういうわけではかなりなさそう。

 ところで、シングルにもツアーのおしらせが封入されていたですけど。発表曲5曲だけでライヴ・・・名が知れ始めたインディーズのバンドのライヴの様に、ほとんどが新曲や未発表曲で埋まるのでしょうか。「でしょうか」って、他に選択肢が無いですけど。どんなライヴになるのかとても謎。


 本当に、世界は驚きに満ちていることですよっ。
 一瞬ながらも、欝が吹き飛んでしまうくらいのイヴェントが。
 ・・・でも、偽装だったらどうしよう(何)。

♪~苦悩の中の耐え難い存在[deadman]

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このページは、Псиが2005年4月12日 22:42に書いたブログ記事です。

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