ひとり、このまま、鏡映すカラダに口付ける。アイしてるのは「じぶん」だけさ、ハダカで踊るのさ。

| コメント(0) | トラックバック(0)

 韓国ヴィジュCDの続きです。楽曲篇。iPodに入れたはいいけど全然再生する気にならず、akiとHALATIONを先行して再生したらなんだかしょんぼりしてしまったので、気分を変えようと再生してみたのでした。
 Псиはコトバがさっぱり判らないので、歌詞が判らずにヴィジュを聴くという素敵な事態に。感想を一言で言うのはとても簡単なのですが、なんとなくこわいのでちゃんとそれぞれの曲について見ていくことにします。たぶん輸入盤で普通に買えるっぽいので、興味を持った方はよしなに。

 なお、レビューは古な感じでお伝えしようと思います。


 再三再四お伝えしている通り、ПсиはAngel Heartというバンドについて全く知りませんし、韓国のヴィジュ事情にも明るくありません。ですから、もうちょっと違う点に気を配って聴いてみることにします。
 Angel Heartは6人編成のバンド。ツインギターにキーボードという鎧と兜と篭手に加えてマントも装備くらいに気合の入った形態です。Псиがこの編成を聞いて真っ先に思い出すのは筋肉少女帯。五人以降の筋肉少女帯にはメンバーとしてのキーボードはいませんでしたが、たとえばライヴで「サンフランシスコ」を聴いたヒトなどは、「秦野さん(Key(サポート))無しの筋肉少女帯のライヴは有り得ない」という意見にきっと頷いてくれるでしょう。
 シンセパートが超絶ながらも、メインはあくまでツインギター。しかも、ただでさえ弾き倒す橘高さんがいるのですから、ギターにインパクトが無い筈がありません。ぱっと聴きではあなたの指は何生物ですかと突っ込みたくなる橘高音が目立ちますが、そうした曲をヘッドホンでしっかり聴いてみて左と右でやってることがあまりにも違って吃驚するのが筋少的スタート地点と言えるでしょう。

 ・・・たとえとしての筋少はスパーリング相手としての範馬勇次郎並みに間違っているといえますが、別に評価のハードルを不当に上げる意図はありません。念のため。

 ここでПсиが言いたかったのは、「ツインギターの価値」ということ、そして「キーボードがメンバーにいる」ということの2つなのです。ツインギター。ギターが2人いる理由というのは、単純に上手ギターがソロで延々と引っ張っている時に中間域を寂しくさせないバッキング要員としての下手ギターとかなのでしょうか。ぶっちゃけそれもあるのかもしれませんが、ヴォーカルが頑張っている時は普通にバッキングしていればいいものを片方が高音でこしゃくな動きを始めるとか、ソロがどこまでも被り続けて超絶展開とか、派手な例ばかりで恐縮ですけれど、ともあれ二人いるのであればそれなりの動きをしてほしいと思うのです。
 メンバーとしてのキーボードについては、ヴィジュ界隈では例が多くありません。ピアノを兼務するヒトが多かったり、動きが確実に制限されたり、ライヴでセッティングが面倒だったりする所為かもしれません。でも、楽曲にあからさまにシンセを使っているバンドはいくつもあります(人格ラヂオで人形が頭上を飛んでいる時を思い出してください)し、時にはバンドのどのパートよりもシンセが頑張っていることもあります。JanneDaArcやSOPHIAの例を見るまでもなく、キーボードの需要が無いというわけでは決してないと思うのです。恒常的に必要かどうかはさて置いて。

 ただ、常にツインギターとキーボードが両立する、というのはどんな場合でしょうと考えた時、Псиは首を傾げてしまうのです。そうして考え付くのは、ギター2つが唸っている後ろを更にオルガンの音で固める様な、それこそ筋肉少女帯みたいに厚い音か、あるいはシンセ至上で音の種類と広がりが強烈なTMNみたいな音か、どちらかなのかなあと。いえ、ただ単純に何も考えないで足してみました的な動きも有り得ますけど、それはできればノーマルEDだとしても勘弁して下さい級なので考えないことに。
 というわけで、果たしてどんな音を鳴らすのかに焦点を当てて、この怪物の様な編成のバンドのCDを聴いてみたことですよ。

REBIRTH PART-2[Angel Heart]
 総合 :☆☆***
 楽曲 :☆☆***
 映像 :(判定不能)
 ネタ度:☆☆☆**

 ・・・・・
 ・・・・・・・・・・えー
 評価に困ります。軍服だけど全然ヴィジュは関係ないのごめんねというオチの方がまだ良かったかもしれません。曲調は明らかにヴィジュ。すごくこしゃくなイントロ/アウトロ展開しすぎの曲調、激しいリズムに歌謡曲ちっくなメロディ、これでヴィジュに影響を受けてないと言ったらПсиはココロのドアを108枚くらい閉めてしまうことでしょう。
 でも・・・いいや、それぞれの曲について評価をまとめましたので、そちらをご覧下さい。

新生/
どうやら海を越えたところで、1曲目=SEというのはお約束認定されている様です。不安になりそうな夕方のチャイムみたいな音で始まって、延々とヴォーカルのぼそぼそ喋り。最後に急展開で全員での演奏を始めますが、サウンドバナーですかというくらいにあっさり終了。ある意味斬新。
血痕
激しめの曲きたー。サビ前のギターの歩き方がとてもMALICE MIZERっぽかったり。それでもサビの盛り上げ方やソロは普通に格好良いです。コーラス音使い倒しでまさにMana様ちっくな印象を受けます。あと、オケヒットが(薄いながらも)使われているのが評価が別れるところですか。
(表記不明)
どうして激しめの曲の後に、ピアノとシンセ大活躍なまったりなバラードへ行きますか。うわあ・・・ブラスまで入ってきた。
Shot Gun
低音のピアノによる、ものすごく不安定な旋律のループから始まる曲。黒夢の「masochist organ」やcali≠gariの「カラス」の出だしをピアノの音にしつつ、なおかつマイナースケールのキモチ悪い旋律にした感じを思い浮かべて頂ければ。昔の名古屋とかでありそうな始まりです。・・・って、そこにボンゴを被せますか。いきなりスカっぽい曲調に。「Noble King Snake」でも始まるですか、と思ったらAメロのメロディはチェンジマン互換でした。感想としては・・・あー、色々やりすぎです。素敵ですけど。最後は曲が終わったかと思ったところでピアノのループが帰ってきて終了。歌詞が猟奇だったりしたら、まんま在りし日の感じです。
I Love You
BODY唯一のシングル曲だった「I Love You」は8ビートの名曲。Zi:Killの「I Love You」は怪しい雰囲気大炸裂。じゃあこの「I Love You」は・・・ええと、イントロからドラムとストリングス音だけは間がなさすぎて聴き辛いので勘弁してください。激しめ+せつなさ炸裂。うわあ・・・BメロのギターっぷりがMALICE MIZERっぽいのはさて置いて、サビのギターの弾きっぷりからストリングス音から、すごく何かを彷彿とさせる・・・あ、そうだ、雰囲気が全然違うけど「Syunikiss」ですよっ
Loren
ピアノ始まり。激しめ+せつなさ炸裂。コーラス大活躍で、Bメロ・サビの最後に「ろれん ろれん」と逆ダイポイント(逆ダイという概念があるのかどうかはさて置いて)。語感(というか聴いた感じ)と詰め込みっぷりに思わず苦笑するも、詰め方だけ何かに似ていると思ったらグルグルの「むじょー むじょー」を激しく無理矢理にした感じだと思いついたのでした。思いついたからといってどうということはないのですが。ツインギターの持ち味を発揮しつつ、サビではピアノが超絶な早弾き。やればできるんじゃないですかっ。展開的にはXの影が見えるというか「Art of Life」を短くするとこんな感じという気はしますが、深くは突っ込まないことに。
Serenade
激しめ+せつなさ炸裂。ダンスビート+シンセフレーズでがんがん進みつつ、ヴォーカルが入ったらワウギターも参入して不思議な雰囲気を醸し出しているですが弦物の中ではストリングスが一番強くて普通に聴きやすいですけどツインギターのバンドとしてはどうですかそれ。サビ最後は明らかに「せれなーで~うぉ~」と聞こえ、はじめてタイトルと歌詞が合致した気がして安心(Loren除く)。Bメロ→サビのブリッジ部分の効果(無音の中slap連打っぽい音を左右にパン)は多用されるとしょんぼりっぽいかも。サビは低めから高めまで動きのあるメロディで、曲は大変聴き易いです。
黒花
ジャニーズのヒトが歌いそうな励まし系ポップスっぽい曲調。ヘッドホンで聴くと左側が必要以上にうねうねしてます。そんなにストリング音使いたいですか。サビ後のパッド音色一人勝ちなシンセをなんとかした方が。ギターソロとストリングスが音ぶつかってるとか。
Good Bye
謎のリズムから、ストリングスとピアノ始まり。ゆったり。イントロでギターが2本とも頑張り始めたと思ったら、Aメロが始まった途端にどこかへ行ってしまいました。あれ、そのままBメロに突入・・・うわ、ワウギターが入ってきた。サビではギター復活+急に早くなってびっくりです。この曲もあからさまにストリングスとピアノが主役。曲は綺麗。
Danube
チャイム音スタート。オルゴールをイメージしているのかも。オルゴールがある程度終わるといきなりヴォーカルと激しめの曲がスタート。途中で突然三拍子に変わりますが、たとえばMALICE MIZERの「ヴェル・エール」の三拍子みたいな綺麗さや、初期La'crymaの変拍子の妙みたいなものが無いのが残念です。あまりメロディが動かない所為かもしれません。いや、三拍子以外の部分と全然雰囲気が合ってないからでしょうか。半ば語りの様に進めつつ叫んだりなんだりするヴォーカルのスタイルが、最近のヴィジュ系を彷彿とさせます。あ、また最初のオルゴールで終わるですか。最初の音ネタを最後に持ってくるのを1音源内で多用しない方が。
(表記不明)
明るめ。通常のアルバムで最後から3曲以内に入りそうな、「終盤の名曲」というか猟奇なバンドがアルバム内に1曲だけ許された明るい曲な雰囲気。どれかのパートが強すぎる、ということがなく、6人編成を一番素直に表した曲だなあ、と思ったことでした。・・・大サビ前のハットの刻みににやにやしたらПсиと握手。
Scarlet Mind
マリンバ(っぽい)音で始まって・・・思った通りストリングスとピアノ大活躍。ギターはAメロ後半でアルペジオで参加して、Bメロからみんな一緒に・・・という普通に綺麗な楽曲。サビはストリングス大活躍ですけど、ギターでもっと音を厚くしてもいいのでは、なんて思ったり思わなかったり。感動の有無はさて置いて、なんとなく「au revoir」みたい。
悲愛歌
ベースが歩く中にギターが鳴ってスタート。ツインギターがそれぞれに頑張ってる、という点では本領発揮なのかも。タイトルの所為かイントロのベースで黒夢を連想しましたけど、あまりそんなことはありませんでした。ギターとストリングスとパッド音が絡んで大変なサビ~サビ後が素敵。
Fade Heart
ストリングス→ピアノ始まりの曲。だからといってバラードというわけではなく、サビにはドラムががしがし。やっぱりピアノが大活躍。とにかく長いですし。英語でいっぱい語った後に変な展開を挟んで「プログレやりたいですかこのヒトたちはっ」と思わせた瞬間にサビに行ったり、どこまで欲張るですかと小一時間。余韻も無いままアルバムが終わってしまったですよ。異常に長いですし展開多すぎますし、これを最後に持ってこなくても。

 とりあえず、そこそこに楽しむことはできました。なんといっても判りやすい曲が多いですし。今のお話ではほとんど触れていませんが、頑張りすぎるドラムと一緒に何気にうねうねし続けているベースもポイント高めです。
 ただ、シンセ音・・・というかたまにパッド音剥き出しだったり、根本的にシンセの音がちょっぴりだけ古く感じてしまう辺りがアレですけど、それでもいろんなことをやっていて面白いと思います。ただ、サビ前はあの手この手を使いつつ静かに溜めるのがこのヒトたちの持ち味っぽいので、そうした展開をベタだと感じる方はご一考を。あと、コテと違う意味でヴィジュ博覧会ちっくだったり、ヴィジュ博覧会として聞こうと思うとコテですらないことが邪魔になったりする可能性はあります。
 というか、できるなら最初はレンタルで。日本のアルバム買うよりは安いですが、それでも。

 聴き終わってから、なんとなく気が向いてROUAGEの「CHILDREN」を聴いてみました。何ROUAGEで癒されてるですかПсиは。


 IMEが滅んだかもしれません。こわれかけの環境(すでにマウスが動きませんけど)。

♪~ナルシス[Buck-Tick]

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.seraphita.org/day/mt-tb.cgi/235

コメントする

このブログ記事について

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261