きこえる? あなた の なか には ぼく が いる。 きこえる? わたし の なか には きみ が いる。

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Adobe IllustratorやAdobe InDesign、Adobe Photoshopをちゃんと使いたいというヒトにとって、およそAdobe税の存在は頭の痛いところだと思います。最近のAdobeアプリケーションはアップグレード権が明確に定義され、「前の2メジャーバージョンからのみアップグレード可」となっていますから、ただでさえ高価なAdobeソフト群をアップグレード料金で回す為にはたまにバージョンアップする必要があるのです。
もちろん、そんな理由ではなくても、新機能や周囲の環境などの理由でバージョンアップを行いたくなることは往々にしてあります。だいたいAdobeソフトウェアのバージョンアップは1年半〜2年くらいで発生しますから、最大で6年、最低で1年半くらいで\100,000超のアップグレード料金を支払うことになるのです。

さて。
ПсиはもともとAdobe Creative Suite Design Premiumという製品を持っていました。これは元々「Photoshop/Illustrator/InDesign/GoLive/Acrobat」という製品構成でしたが、最新のCS5では「Photoshop Extend/Illustrator/InDesign/DreamWeaver/Flash/FlashCatalyst/Acrobat」と単品買いの意味がわからなくなるくらいに詰め合わせっぷりが過剰ですてきです。
Псиの所有ヴァージョンはCS3で止まっていたのですが、InDesignCS4の新機能である自動ワープロ機能(仮)(正式には「スマートテキストのリフロー処理」機能)やPhotoshopCS5/IllustratorCS5の新機能を見るに、CS5にさっさとアップグレードして雑誌からアーティスト写真をスキャンしては自然にロゴなどを消去して「嘘生写真」を仕立て上げる作業をしては暗いお部屋でにへにへ微笑みたい、という欲求に駆られていました。

でも。
Псиの持っているAdobe Creative Suite Disign Premiumは、なんとWindows版なのです。
最近Macに帰ってきたこともあって、デスクトップは仮想iMacですしノートまでMacBook Air。Windows環境は仮想iMacに入っているParallels Desktopの中とThinkPad X300の中=非メイン環境にしかありません。
ParallelsでAdobeアプリケーションを使えないことはありませんが、いちいち仮想環境のWindowsの起動を待たないとAdobeアプリケーションが使えないのはとてもアレですし、動作が微妙に重たいですし、なによりMacで身を固め直した以上Windows版に固執する必要なんてないはずなのです。

というわけで、Win版CS3からMac版CS5にアップグレードなのよひゃっほう! と言いたいところですが、残念ながらプラットホームを跨いだアップグレードは許されていません。つまり、Mac版のCS5を入手するためにはMac版のCS5新規パッケージを購入しなくてはならないのです。
今日のお話は、そんな絶望をПсиが如何に乗り越え、かつAdobe税を如何に文字通りの「税金」に仕立て上げたかという誰得のお話なのでした。

Adobeアプリケーションには「パッケージ購入」の他に「ライセンス購入」という道があります。ライセンス制(TLPとCLPの2種類がありますが、CLPは大規模企業をターゲットにしているのでここではTLP一本に絞ります)の使用許諾が更新されたことで、企業じゃなくても購入することができ、しかもWeb上で見積→購入ができる様になりました。かつては量販店のライセンス窓口等でしか価格が判りませんでしたが、Adobeのサイトへ行けば価格が判る様になっているのです。
ライセンス購入のメリットはいくつかありますが、Псиが特に大きいと思っているのはこれです。

  1. クロスプラットホームでの運用。Псиにとって一番のメリットです。「WinのパッケージからMacのライセンスをアップグレード価格で購入」ということができます。また、「MacのライセンスをWinに変更する」こともできます。ただし、ライセンスが1つだけの状態でMacにもWinにも同時にインストールすることはできません。その場合はライセンスを2つ購入するか、片方をアンインストールする必要があります。
  2. パッケージをダウンロードできる。TLP5.0になってから、個人用ライセンスでもダウンロードが利用できる様になりました。かつては\3,000を支払ってメディアを購入し、しかもそれが到着するまで待たなくてはならなかったみたいですが、これからはライセンス利用権さえ手に入れれば専用サイトからすぐにダウンロードしてアプリケーションを利用することができます。また、1つ前のヴァージョンへのダウングレード権も使用でき、そちらもダウンロードができますから、環境的な理由で前のヴァージョンをキープしたいヒトも安心です。
  3. アップグレードライセンスの存在。後述します。

はっきり言って、1番目だけでライセンス制を導入する理由としては充分です。しかも、今後何かの事情があってMacからWinに戻るとしても、ライセンスであれば移行することができます。
パッケージからライセンスへの移行は、だいたい「パッケージのアップグレード料金+\10,000」くらいといった所。初期投資だけはちょっとだけ覚悟しないといけません。また、Adobeのライセンスサイトでは支払い方法が銀行振込のみですから、「魔法のカードで分割ひゃっほう」と考えているヒトは注意が必要です。量販店のライセンス窓口などでカードで購入できることがあるらしいので、そうした所へ問い合わせると良いと思います。

また、ライセンス制のヒトのみ「アップグレードライセンス」を利用することができます。これは(Design Premiumの場合)おおよそ\70,000くらいを支払うことで、向こう2年間にバージョンアップが行われた場合最新版を手に入れることができるというものです。Microsoft製品でもボリュームライセンスであれば同じ様な権利があったりなかったりしますが、それのAdobe版です。
基本的にAdobeアプリケーションは1年半〜2年程度でヴァージョンアップが起こりますから、上手く行けば\70,000で最新ヴァージョンアップを入手できる、ということになります。もっといえば、アップグレード権は更新制ですから2年ごとに\70,000を支払い続ければいつでも最新ヴァージョンを利用できるということになるのです。ヴァージョンが変わることでパッケージ構成も変われば価格もまちまちだったAdobeアプリケーションが少なくともヴァージョンアップ費用だけ定額化できるのです。

ライセンス制とアップグレード権は別個の話ですから、ライセンス制にして更に上記のアップグレードライセンスも欲しいというヒトはだいたい新規パッケージ分くらいの料金が必要になります。ただ、アップグレード権は別に購入することができますので、「とりあえずライセンス化しておいてアップグレード権はまた後日」ということもできます。もっとも、アップグレード権は最新ヴァージョンからでないと乗せることができませんから、躊躇している間に新ヴァージョンが出ないことを祈らなくてはいけませんけれど。


Macへの移行について、Псиにとって最大の悩みはAdobeアプリケーション群でした。でも、ライセンス制を導入したことによって無事にWin版からMac版へのライセンス振り替えができました。
問題としては、パッケージと違って「購入してもすぐに利用できない」ということが挙げられます。ライセンスはAdobeの本国(仮想スイス)での登録作業が必要になるので、シリアルが用意されダウンロードができる様になるまで、早くとも一週間足らずの期間が必要になります。Псиはその間は体験版で凌ぎ、シリアルが来たら製品化することで事無きを得ました。

現状、Псиにとって疑問なのは、「1つのライセンスにつきインストール可能な数」で...パッケージでは「同時使用しない限り2台のマシンにインストール可能(※とても要約)」という規約がTLPだとどうなるのかということです。事例のページでは教育機関向けのこういうことしか書かれていません(これは教育機関向けCLPの解説で、TLPには「同時使用ライセンス」という規定が無いのです)し、

教育機関向けCLP 4.5のプログラムメンバーは、研究または管理を目的としたアドビ製品使用のための同時使用ライセンスを注文いただくことができます。ただし、このオプションには追加費用が発生する場合があります。また、プログラムメンバーは、同時使用ライセンスの使用状況をリアルタイムで追跡・管理できるライセンス監査・使用管理ツールを使用し、維持する必要があります。

同時使用ライセンスのインストールおよび使用は、プログラムメンバーの所有するコンピューター上でのみ認められています。例えば、学生の所有するコンピューターには、同時使用ライセンスのインストールも使用も認められていません。


CreativeSuiteの規約を見ても、次の点をどう解釈して良いのかわかりません。

2.6 ボリュームライセンシーによる二次的使用の制約。本ソフトウェアが、エデュケーション版 ボリュームライセンシー以外のライセンシーによって、Adobe ボリュームライセンスプログラム (現在は Adobe オープンオプションとして知られています)により取得された場合には、上記 2.5 条に規定する方法で作成された本ソフトウェアの第 2 のコピーは、ボリュームライセンシー の利益、業務目的にのみ使用できることとします。ボリュームライセンシーによる二次的使用に 関する詳細は、当社 Web サイト http://www.adobe.com/go/open_options_jp をご覧ください。

「ボリュームライセンシーの利益、業務目的」ってなんですの。でも、雰囲気的にはライセンスでもこの「複数のマシンへのインストール」が適用されるのでしょうと思いたいです。

アクティベーションプロセスでは、バックアップを含めた2台までのコンピュータにソフトウェアをインストールできます。 アドビ製品のエンドユーザ使用許諾契約では、2台のコンピュータで同時に使用しない限り、メインで使用する1台目と、サブマシンとなる2台目のコンピュー タへのソフトウェアのインストールを、1人のエンドユーザに対して許可しています。 アクティベーションプロセスでは2台のコンピュータへのインストールとアクティベーションができますが、2台目のコンピュータでそのソフトウェアを使用で きるのは、ライセンスに基づき1台目のコンピュータでそのソフトウェアを使用している正規ユーザに限定されます。 他のユーザに2台目のコンピュータでそのソフトウェアを使用させることは、エンドユーザ使用許諾契約に違反します。

とりあえず1ライセンスで仮想iMacと仮想MacBook Airの2台に導入しています。ポップアップなどで怒られたことはありません。怒られるのはイヤなので同時使用してどうなるかは試していません。
もうライセンスにしてしばらく経ちますが、どちらでも普通に使えていますし、CS5購入特典はちゃんともらえましたし、困ったことは全然ありませんでした。

個人用途を押さえてきたことからも、Adobe的にはライセンス制を進めていきたいのだと思います。常に2年で出費があるのは考えどころですけれど、それで常に最新のヴァージョンが使えるとあれば考える価値はありそう。ヴァージョン云々を置いてもクロスプラットホームで悩んでいる方もライセンス制を考えてみてはいかがかしら、と思った今日この頃なのでした。


ところで、InDesignCS5の自動ワープロ機能(仮)が心底便利で泣きそうです。ストーリーエディタで書き進めてはページを増やしてテキストボックス連結して、という全然21世紀な香りのしない作業をしている小説執筆者さんはぜひ。

♪〜キミガシン..ダラ[Buck-Tick]

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It'll also save a lot of cash and time for those on a restricted budget who

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このページは、Псиが2011年1月 3日 23:24に書いたブログ記事です。

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