流れるあなたの涙が*になり→この空埋め尽くして「今、流星にかわれ」

| コメント(39) | トラックバック(0)

ポータブルミュージックプレイヤーとしてのiPodやiPhoneやiPadには、ストレージ容量の問題があります。4GBなり8GBなり64GBなりで買ってきたデバイスは、買い替えない限り持ち歩ける曲数に限りがあります。
最大のストレージを搭載したiPhone/iPod touchが32GB、iPadが64GB、タッチパネルの無いiPod Classicだと160GB。MP3が1分1MB、1曲が5分と単純に考えると、32GBで6,000曲、64GBで10,000曲、160GBで32,000曲とかを持ち歩ける計算になります。
とはいえ、ストレージは「64GB」とパッケージに書かれているからといって、64GBをまるまる使えるわけではありません。この場合の64GBはあくまで「全部で64GB」ということで、「空きが64GB」ということではないのです。Псиの持っている仮想iPadは64GBのストレージを搭載していますが、「情報」を見ると使える空間は60GBくらい。残り4GBはどうやったってユーザには触れない領域といえます。

広告で謳われたストレージ容量をまるまる使えると信じて購入してしまうことは、2011年にもなってTHUNDER FORCE VIをサンダーフォースだと思って購入したり、2011年にもなってラブルート・ゼロを声優目当て以外の理由で定価購入したりするのと同じくらいのリスクを抱えているのです。うそです。そこまで重くはありませんごめんなさい。おわびにそのうちラブルート・ゼロの実況的ななにかをやるのでゆるしてください

どこまではなしましたっけ。そうそう、それでもそんなに空間があれば充分だと思えますが、先ほどの試算は本当にざっくりした計算。音質にこだわって320KbpsのMP3を作っている方ならファイル容量が(ざっくりと)2倍程度に膨れますから、持ち歩ける曲数は半分程度になります。Apple LosslessやWavファイルで持ち歩く場合、更に1分当たりのデータ量が大きくなりますから、持ち歩ける曲数も大きく目減りしてしまいます。

Псиはいつも320KbpsのMP3でリッピングしますから、64GBの仮想iPadにはおおよそ5,000曲は入れられる計算になります。そんな観点で仮想iPadの「情報」を見ると、現在仮想iPadに入っている曲数は4,500前後。これにそれなりのアプリとそれなりの写真を入れて、もう仮想iPadは常にフル状態。そういえば買ったその日にはこんな状態で、まさに最初からクライマックスだったといえます。
容量は大きな壁として存在しますから、後はいかにやりくりするか。新譜を買っては泣く泣く古いアルバムを削除する、学研ストアアプリでまんがサイエンスの新しい巻が出る度にうれしくて飛び上がった後に削除する曲を決めるめずらしい躁鬱に苛まれるのです。

だったら音楽はiPod Classicの再大容量のにまかせて、iPhoneやiPadを音楽の呪縛から解き放ってしまえばいいのでは、とも思うのですが、iPod ClassicにはBluetoothが無いという別の問題もありますし、そもそも160GB程度じゃ「あらゆる音楽ファイルを持ち歩く」なんて不可能。吟味のスパンと選別のしやすさが多少マシになるだけで、根本的な解決にはなりません。普通ライブラリは膨れ続ける宿命にありますから、容量が決まっている時点で話にならないのです。

というわけで、外に目を向けてみるのです。最近流行のクラウドミュージックなどを考えてみます。仮想米国型のクラウドミュージックといえば、月額いくらかを払って膨大なライブラリを自由に利用できる様にするもの。でも、この方式にもあまり興味がありません。Псиの持っている音源の一部はそんなライブラリに収録されている保証が全くない代物だらけです。
ROUAGEの配布音源の「月の素顔-otherwise-」は用意されているでしょうか。メトロノームの「プラネット」でさえ難しそうなのに、「プラネット-コバヤシミックス-」はどうでしょう。昔のゲームのサントラなどは解散して何年も経過したインディーズバンドのCD並に復活が見込めません

ここでポイントとなるのは、次の2点です。

  • ライブラリを持ち出したい。ライブラリ内のあらゆる曲には均等に再生される権利があります。可能な限りすべての曲を持ち歩き、将来曲数が増えても充分対応できる形にしたい。
  • ライブラリを持ち出したい。見かけの曲数だけ謳って、永遠に聴かない様な曲ばかりが含まれていても困ります。聴いた事も無い音源にタッチできたり紹介されるのは魅力的ですが、そんなことより優先されるべきは手持ちのライブラリをすべて網羅すること。

ライブラリの再現性と曲数は真っ向からぶつかる概念です。さあ、どうしましょう。

これらを解決する手段は一応存在します。方法はふたつ。ひとつは「mspot」や「ZumoDrive」の様な音楽用のクラウドストレージを使う方法。つまり、ライブラリをまるまるクラウド上(自分用ネット領域)にアップロードして、そこから聴けばいいよねという考え方です。
ただ、この方法には問題があって、まず音楽ファイルのアップロードを行いますから、同期にそれなりに時間がかかる、ということがあります。なにより実データの移動がありますから、大きなライブラリをアップロードしようと思うとそれなりに料金がかかります。もちろん無料のサービスもありますが、今までお話してきた様な悩みにうなずける方は無料のちっぽけなストレージサイズで満足できるはずがありません

じゃあもうひとつは。そもそも考え方を変えます。ライブラリを他にコピーしようとするからいけないのです。自分のライブラリを外出先から操作・再生できればすべての問題が解決するのです。というわけで、AudioGalaxyをためしてみました。

AudioGalaxyの動作原理は簡単で、まず自分の持っている曲目リストとプレイリストをクラウド上にアップロードします。ポイントは、曲そのものではなく曲目だけをアップロードしていることです。
iOSデバイスやAndroid端末のアプリを使うと、AudioGalaxy上の自分の曲目リストにアクセスすることができます。ここで楽曲を選んで再生させると、PCの音楽ファイルをストリーミング再生してデバイスに届けてくれるのです。つまり、ライブラリの入ったPCの電源を外出時も点けっぱなしにすることと引き換えに、すべての音源を再生できる様になるのです。

AudioGalaxyはクラウド上に(いわば)カタログだけをアップロードしている形ですが、じゃあライブラリがどれだけ増えてもだいじょうぶなのかというと、曲の上限は200,000曲だそうです。ただ、大きすぎるライブラリはサービスの負荷となるので、そうしたライブラリを持っているユーザには将来課金するかもしれないそうです(FAQの「Is there any limit to the size of my collection?」参照)。

でも、200,000曲なら充分でしょう。最初の頃の、iPod Classicで持ち歩ける曲の数を思い出してください。「160GBで32,000曲とか」...文字通り桁が違うのです。しかもサイズだのビットレートだので目減りする様な曲数ではありません。なんて理想的なサービスでしょうか。

そんなAudioGalaxyを、ちょっとためしてみました。

AudioGalaxyを利用するためには、次の手順が必要です。


  1. Windows/MacでAudioGalaxyのサイトにアクセスし、アカウント登録をする

  2. アカウント登録後に「AudioGalaxy Helper」アプリケーションをインストールする

  3. iOS/Androidのストアで「AudioGalaxy」アプリを入手する

  4. アプリでアカウント情報を入力する

これだけです。ただし、2.の後のライブラリの同期にはかなり長い時間がかかります。おそらく曲名とプレイリストをアップロードするだけ、なんて単純なことじゃなく、コントロールの為の諸々の情報を解析してはいるのでしょうけれど...今日のおでかけから使いたいので今朝入れた、という様な急ぎっぷりではすべての曲にアクセスすることはできないと思います。
また、Webに一度ログインして、「Settings」の「Allow others to view my profile(他のヒトにプロフィールを公開する)」と「Automatically display correct information for incorrectly tagged songs(間違ったタグ情報を自動的に正しく表示する)」のチェックを外しておいた方が良いかもしれません。前者は好みで良いと思いますけれど、後者は余分なことをしている様にしか見えません。

アプリで自分のアカウント情報を入力すると、こんな風にリストを見ることができます。プレイリスト/アーティスト名/アルバム名/ジャンルなどで望みのトラックを探すことができます。

曲を選ぶ時の注意点としては、「今すぐその曲が聴きたいのか」が問題になります。というのも、選んだ曲というのは「現在のプレイリスト(Current Playlist[unsaved])」というプレイリストに登録された形となります。
今すぐ曲を聴きたければ曲名をタップすればいいですし、もしも今聴いている曲(あるいは今予約されている曲)の後に追加したい、という場合は右端の「+」をタップします。アルバム全曲を登録したい場合は、アルバム名の右端の「+」をタップすればよいでしょう。
この「現在のプレイリスト」は次の日くらいには消えている様です(長く放っておくと消える、くらいのイメージで良いと思います。また、すてきプレイリストを作って新たに登録することもできます)。

このアプリのすごいところは、3G回線でも問題なく再生してくれることです。Псиは仮想iPadでBluetoothヘッドホンとAudioGalaxyを試してみましたが、雨天や地下鉄の中でも問題なく再生することができました。
もちろんiPadでHOMEに戻っても再生を続けてくれます。二度押しで表示されるコントロールでの曲名表示が「AudioGalaxy」となっていて、現在流れているトラックの曲名もアーティスト名も判らないのはちょっと残念ですが、画面でもBluetoothヘッドホンからでも早送りや戻しなどの操作は普通に行うことができます。

正直なところ、再生はとぎれとぎれになるだろうと踏んでいただけに、まず音の途切れないAudioGalaxyには本当におどろいたのです。もちろんたまにぷつぷつ途切れることはありますが、それも本当にごくまれで、聴いてられないほど頻繁に止まったり動いたり、ということはありませんでした。仮想iPadだからかもしれませんが、バッテリの減りがひどく早い、とかということもありません。快適そのものです。
ただ、問題が全くないわけではありません。この手のサービスでは外せない問題、文字化けです。


どうやらタグ情報に問題があるらしくて、iTunesでリッピングした曲は問題なさそうなのですが、Windows時代に取り込んだMP3ファイルは文字が化けていたり化けていなかったりして大変カオスです。
化ける対象は曲名だけでなく、アーティスト名やアルバム名も化けたり化けなかったりするので、1つのアルバムが正常なアルバム名と文字化けたアルバム名で別々に分かれることもしばしば。そもそも日本語の化け方はひどくて判別ができません。
文字化けの感じが昔のMacのiTunesにWindowsのライブラリを持ってきた時の文字コード問題に似ていますけれど...さて、どうしたものかしら。ここまで乱雑にライブラリが引っ掻き回されていると好きな楽曲が選べなくなるわけで、これは大きな問題です。現状のライブラリをすべてAACに変える(それと一緒にiTunesでタグを書き換えさせる)とかすれば解決はするのかもしれませんが、それこそ黄金聖闘士ふたりの千日戦争が終わるのを横で何もせず待ってる教皇みたいに気の長い話になってしまいますし...。

というわけで、AudioGalaxyは充分に使用に堪えるサービスなのに文字化けが惜しい、というお話になります。ずっと音源はiTunesで管理しているヒトなら、この文字化けはそもそも問題にならないかもしれませんし、試す価値はあります。ただし、このご時世では棲み処のPCを起動したままおでかけする、という行為はだいぶ敷居の高いことですけれど。

もうずいぶん長くなってしまったので、あしたにつづくかもしれません。つづかないかもしれません。みしのたくかにと(呪文)

♪〜流星[ムック]

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.seraphita.org/day/mt-tb.cgi/509

コメント(39)

コメントする

このブログ記事について

このページは、Псиが2011年6月 1日 23:13に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「変わり往くモノと、それを望むモノ。」です。

次のブログ記事は「どうして、[(太陽は燃える)|(ヒトは淋しい)]の?」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261