ねえ。きみのまわりには、かけがえのない愛情が宝石よりも強くキラキラ光るのに。

| コメント(0) | トラックバック(0)

地雷があるとわかっていて平地を走ることを、やさしく言えば罰ゲーム、まずく言うとまずいので言えませんけれど、ともあれ爆発の可能性が高いのであれば、そこへみすみす飛び込むことなどありません。
でも、やりたいことがあって、そこで用意された選択肢が「不完全にしか果たせない上にもう終わったもの」と「完全に果たせるけど地雷の原野」の2つだったとしたら。いったいどうすればよかったのでしょう。...真っ当に考えれば急いでその場から走り去るのが懸命な判断ですけれど。

Псиにとって、PSPは稼働率が極端に低いハードで...そのくせ2台持ちなのが謎ですけれど、ともあれUMDの換装と持ち歩きが本当に苦痛だったのです。どうしてUMDにはシャッターがなかったのでしょう。ゲームはもちろん、映像ソフトまで出ているわけですから、外出先でのUMDの交換を想定していたと思いますが、あの形のあの大きさのものを、どう複数枚持ち歩かせるつもりだったのでしょう。
読み取りがうるさいとか遅いとかも加わって、気付けばUMDそのものが煩わしく思えてしまって。結局ПсиのPSPはtorne動画を受け取るメディアプレイヤー、まれにゲームという有様でした。

かといって、最近は乙女ゲーも残らずPSPでリリースされる傾向があるので、特典的な意味でUMDを買わないわけにはいきません。そうして買っても大概はCDだけリッピングしてゲームは箱ごと積むのが最近のエブリデイで、もうこんな生活はいやでいやでたまらないのです。

そんなПсиのこと、PSP goは「まずストレージ16GB+外部ストレージ」「そもそもUMDスロットない」「画面きれい」というので本気で購入を考えていましたけれど、当時は既に所有しているUMDの救済策がありませんでしたし、あの薄っぺらくてすぐ壊れそうなボタンが心底不安で、結局PSP goは見送ったのでした。
ですから、PS Vita+UMD Passportの発表を見たПсиは、新作ソフトなんかどうでもよくPSP goが画面綺麗になって帰ってきたという印象しかなく、実際に用途としても今まで積んできたUMDの消化とtorne受け、あとVita用ソフトという序列で捉えていました。
結局、乙女なゲームがちっともUMD Passport対応にならないせいで、未だに積んである箱の数々は減りませんけれど、それでもアトラスゲーとロミヲゲー(CROSS†CHANNEL除く)については消化が見込めるというもの。というわけで、

少し前にPS Vitaを買ってきました。

PS Vitaといえば、昨年SONYがリリースした携帯ゲーム機。PSPの後継でありながら利用可能メディアと端子を一新、更にジャイロやタッチパネルといったモダンなインタフェイスを積んだ上、ARに対応、背面タッチと3G通信という新機軸を抱えて世に出たものです。
...ところが、ライバルである3DSにも、タッチパネルはもとよりジャイロやAR機能は元から搭載されており、しかもそれらをうまくまとめたゲームが最初から本体に内蔵されていました。ARについてはPS Vitaの方が能力が上、という触れ込みでしたが、マーカレスARもワイドレンジARもサードパーティ製の3DSソフトではどれも実現されているので、あまり優位性があるとは言えません。

3G通信を備えることで、いつでもネットワークを利用でき、GPSを利用することもできます。ただ、GPSはともかくそんなに通信量の大きくないネットワークをいつでもどこでも利用するメリットというのはスマートフォンや携帯電話を持ち歩いているヒトには結構な謎で、本体同梱ソフトでもその優位性を確立できているとは思えません。
もちろん、ゲームボーイの通信ポートの様に「とりあえずつけてみた」ものが大化けすることもありますが、機能の有無で本体の料金が¥5,000違うのであれば、それなりの用途を示す必要があるはずです。残念ながら、初期ラインナップではそうした辺りが見えませんけれど。

唯一、Псиが注目していたのは背面タッチ。スマートフォンでゲームをプレイすると、とにかく手で画面が隠れること、そうして画面が汚れていくことに耐えられなくなります。DSや3DSの「タッチパネルが別にある」は、ボタンを別に置くのと同じ発想で、すごく良い解法だと思っています。例えばレイトン教授など、上画面を見ながら始終タッチ操作をするゲームは多々ありますが、その操作に違和感を感じることはありません。直感的でありつつメインディスプレイに触らない、良い落とし所だと思います。
背面タッチは、このDSのタッチパネルに匹敵するインタフェイスだと思いました。「画面に触らずに画面に触る」操作の実現方法として、タッチ面を画面の裏に付けるのは理に適っています。ただ、画面や筐体が透けているわけではありませんから、何のガイドもなしに画面のボタンをぽんと押す、というのはよほどの心眼が無い限り無理でしょうけれど、それこそレイトン的に探ったりなぞったりするには良いインタフェイスだと思います。加えて、ボタンから指が離れませんから、「背面タッチで触りながら○ボタン」という組み合わせの操作も考えられます。

...こんなに背面タッチに期待を寄せる向きもたぶん世界的に少数で、それが天使であればなおのこと。というわけで、買えなかったPSP goの代わりとしてPS Vitaを購入し、体験版を端から落とし、無駄にメディアを詰め込み、PS Vitaを使ってみた感想をお伝えしようと思います。

タッチパネル
いろんなゲームをプレイしていて思いましたが、どうしていちいちタッチパネルでの操作を強いるのでしょうか。UNIT 13のゲーム中メニューなどは明らかにパッド操作で充分な筈なのに、なぜだか項目をタッチしないといけません。GRAVIT DAZEをはじめとして、タイトル画面をいちいちタッチで送らせる意図はなんでしょう。...DS登場時も無駄にタッチさせるインタフェイスが溢れていましたが、DSとスマートフォンはすっかり世の中に溢れ、「タッチしかないインタフェイスの弊害」も明らかになっている筈です。どうして2012年になってまでこんな操作を強いるのでしょうか。
また、静電方式・マルチタッチ対応になっていますが、指を触れない内に反応することもままあったり、油断していると親指が画面の端に触って反応していたり、そんなことでしょんぼりすることもちょっぴりありました。
背面タッチ
まず、背面タッチ部分は滑らかな平面で、何の凹凸もありません。...FとJのアレみたいに、センターなどに目安のガイドがあるのでは、と思っていたのですが、残念なことに何もありません。そして...これはソフトウェアによるのでしょうけれど...背面をタッチした時に、画面側にどの辺りをタッチしているかという表示が特別にあるわけでもありません。これらから、画面を見ながら一発押しで背面タッチ操作をする様な設計ではそもそもないのでしょう。
加えて、画面タッチの場合は背面タッチでも応答する、というインタフェイスではないらしくて、タッチと言われたら画面タッチ、背面タッチはまた別の操作として割り当てられている様です。背面タッチは画面タッチの代替でないことから、Псиの期待は最初からよそを向いていたことがわかります。「サワリ・マ・ク〜ル!」の体験版をプレイすると、背面タッチがわかっているのに上手くプレイできないもどかしさを表現するツールとして使われていて、実際操作にえらくもどかしさを感じますから、こんな思いはただの幻想だったと思い知らされます。
そもそも、本気で背面タッチをしようとすると画面/筐体の大きさがとても邪魔。大画面のVitaで望んだ場所を背面タッチするには、ボタンを無視したフォームを取る必要があります。大きい画面と背面タッチは親和性が乏しく、加えてガイドを付ける工夫もなかった結果、例えば墨鬼では止まっている時に背面タッチで墨を擦る(技メータを溜める)という複雑さのない漠然とした操作が割り当てられています。しかも、やはり油断をすると背面タッチの部分に指を触れてしまうことがあり、小休止していたら勝手に墨を擦っていたこともちょっぴりありました。背面タッチは画面タッチの代替ではなく、今の所は「可能性」とレッテルを貼られて殺されているインタフェイスのひとつです。
画面
5インチ有機ELは確かにきれいで明るいです。じゃあそれで最強かというと、次の項目のせいで台無し。
アプリアイコン
最悪です。1つの画面に、定められた間隔で円形のバッジアイコンが最大10個まで並ぶインタフェイスになっていますが、エッジがいちいち汚く、光沢のありすぎるバッジは震える度に薄っぺらく見えます。PSPソフトのアイコンは透明の円の中に長方形のアプリバナーを押し込めたカタチで、まだこちらの方が見栄えは良いと思います。
「めくる」インタフェイスは、カンファレンス時点では「どうしてめくるのかしら」と意味が分からない点のひとつでしたが、「アプリを操作すると画面が増え、その画面をめくり落とす」と操作してみると納得できる所です。アプリ画面が横に増えていくことから、アイコンの振り分けは縦だけ、という説明にもなっています。
アイコンに目を瞑れば、画面構成はそれなりにリッチで、通知領域を常に隅にありますし、画面ごとに壁紙を変更することができます。壁紙は透過画像を指定することさえできます。もっとも、アイコンの並びが独特なので、壁紙は被写体の顔などがアイコンに潰されない様に若干苦労が必要かもしれません。10個ずつとはいえ、実際に画面を分けることができますから、これは3DSにない大きな利点です。それはそうと、ホーム画面の謎BGMはなくて良かったと思います。
ボタンとアナログスティック
ボタンは小さくなり、クリック感が強くなりました。ボタンの感じはPSPと大きく異なりますが、これで苦労したことは特にありません。アナログスティックは...ううん、ちょっと触っただけで外れかけたボタンみたいにぐるぐる動くので、取れちゃわないか不安になります。操作性は悪くはありません。右スティックがボタンに干渉する、という話がありましたが、気をつければあまり気になりません。
そういえば、スピーカーはたしかに親指で隠れて、意識して指をボタンに置いたり離したりすると音がこもるのがわかります。どうしてこんな配置なのかしら。
near
いみがわかりません。「近所でたくさんプレイされているソフトがわかるよ!」「そもそも近所にプレイヤーがいるのがわかるよ!」という謎レーダーとしてしか認識していません。フレンドもあまり作りたくないので、アイテム共有とかも関係なさそうです。そういえば「みんなといっしょ」のロビーも「アカウント適当に集めて名刺交換の場」→「フレンドを作る場所」としているのがとてもアレです。
フレンドについては一緒にチャットをしたりゲームをしたりアクティビティ見たりができるのですが、このフレンドをとにかくたくさん作りなさい、と働きかけられます。3DSは「すれちがい通信」を外に持ち歩く動機付けとして上手く動いていると思いますが、nearは、そしてフレンドをとにかく増やせというこの考えは、果たして持ち歩くための動機付けになるのでしょうか。
あと、Twitter連携をしている相手に名刺を渡すと相手のつぶやきが「みんなといっしょ」アプリで見られる上に、「良いつぶやきに対してなでなでできる」という心底気持ち悪い機能があるのですがなんとかしてください。「いいね!」とかはともかく、なんですか「なでなでする」って。
メディアプレイヤー
どうしてPS3はデータのDLもデータのコピーも異常に遅い上に1つずつしかDLをゆるさないのでしょう、という疑問が常々ありましたが、PS Vitaもその部分はしっかり踏襲しています。torneから録画番組をコピーをするのに録画時間の半分くらいの時間がかかるという、何倍速のCD-Rドライブですかというアレさがたまりません。最近はクイック書き出しにも対応しましたが、クイック書き出しONで録画した番組のみ対応していて、それ以前の負債を山ほど抱えたПсиがそれを試すのは随分後のことになりそうです。遅いのは録画番組の転送だけかと思いきや、PS3でDLしたアプリや体験版のデータ転送も遅くて遅くて、何時代の何ポートですかといらいらすることになります。
それよりも、torneは録画番組を保存する領域をまず作るって意味がわからないのですがなんとかしてください。
WindowsPCやMacにアプリケーションを入れておくことで動画ファイルや音楽ファイルをPS Vitaに転送できますが、そのアプリケーションを実行すると独自DBにWindows/Mac上の動画/音楽/写真を登録する作業が始まります。無駄に肥大しているПсиの音楽フォルダを全部DBに取り込むのにざっと6時間、しかもPlastic Treeをはじめいくつかのアーティストは、アルバム名と文字化けした曲名が混ざって取り込まれていて利用不可能な状態で、とても使い物になりません。どうしてPSP方式にしなかったのか返す返すも謎です。動画も対応していないものが多いしやっぱりコピーは遅いしで、この用途はどうでもよさげ。
なにより、アプリやゲームを起動中でもWindows/Mac/PS3と繋げると問答無用でデータ管理アプリに遷移する、動画や音楽や写真のコピーはそれぞれのアプリに勝手に移動するなど、インタフェイス的にも謎な部分が多すぎます。あと、USB3.0端子でないと充電しながらデータ転送ができないということで、torne転送は充電しながらはできないのが無闇に痛くてしょんぼりです。
充電といえば、PS Vitaは謎の「マルチユース端子」を搭載していて、現状では地球上の他のどの機種とも互換をもたない形ですから、運用によってはアダプタが余計に必要かもしれません。...本当はUSB-マルチユースケーブルと言いたいところですが、先ほどお話した通りUSB3.0でないと充電できませんから。
PSP互換
多少ぼやけますけど、問題はありません。UMDよりはずっと読み込み速いですし。スティックは反応が良すぎて超移動をしますけど、気にかけられない範囲ではありません。ペルソナ2のDLCは、PS Vitaのストアから落としてもゲーム中DLCセンターから落としてもどちらも問題がありませんでした。後者の方が多少動作が速い様に見えたのは春の日の幻だったと思い込むことにします。

新機能の数々が心底どうでもいいですが、そもそもПсиにとってのPS VitaはUMDを追体験するためのゲーム機、もっと言えばただのペルソナプレイヤー。Persona、ペルソナ2-罪-、PERSONA 3 PortableをUMD Passport経由で導入し、ミュージックプレイヤーにはサントラも全種類導入。これで発表済みのペルソナ2-罰-とペルソナ4ザ・ゴールデンが来れば、名実共に完全無欠のペルソナマシンの誕生です。

壁紙はどこかで拾いました。

というわけで、面白そうなソフトが出ればラッキー、そうでなくても導入時点で目的は果たしていて新作への期待を何一つしていないのでどうでもいい、という稀に見る後ろ向きなゲーム機の買い方をしてみました。荒野はやっぱり地雷ばかりでしたけど、そもそも空中を行っているので天使には関係ありません

今考えてみると、それなりのスマートフォンばりに高機能な未完成品のPS Vitaですけれど。このハードから地雷が除去される日は来るのでしょうか。どう贔屓目に見ても来ないと思いますけど、でも来たら来たでちょっとはうれしいかもしれませんから、ペルソナと3DSのゲーム群をプレイしながらぽんより日々を過ごすのです。

♪〜Circle of Life[Crimson-FANG]

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.seraphita.org/day/mt-tb.cgi/519

コメントする

このブログ記事について

このページは、Псиが2012年3月11日 23:57に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「ぼくたちに降り注ぐのは、雨のようにやさしいのに。」です。

次のブログ記事は「遮られている扉の鍵穴覗けば、目が回るほど頭の中響き暴れ回るよ。」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261